賀曽利隆 ON THE ROAD

カソリの島旅(30)利尻島(北海道)

2009年11月07日 07:07

 (『ジパングツーリング』2001年11月号 所収)
 
 礼文島の香深港から東日本海フェリーの「アインス宗谷」(2267トン)で利尻島の鴛泊港に渡った。
 この「アインス宗谷」は、なつかしの船。2000年の「サハリン縦断」のとき、稚内からサハリン南部のコルサコフまで乗った船なのだ。思わず一緒にサハリンを走った「サハリン軍団」の面々の顔を思い浮かべた。

 鴛泊港到着は14時25分。香深港から40分の船旅だ。
 鴛泊港の岸壁に降りるとすぐに、利尻島を反時計回りで一周する。利尻島は円形の島で、中央に利尻富士で知られる島の最高峰、利尻山(1721m)がそびえ、道道105号と108号で島を一周できる。 まず最初は最北端の富士岬に立つ。岬近くの富士野園地にはエゾカンゾウの黄色い花が咲いていた。

 次に最西端の沓形岬に立つ。沓形港近くの岬でキャンプ場がある。
 次に最南端の御崎。ここからは利尻富士がよく見えるとのことだが、残念ながら中腹から上は雲の中だった。

 鬼脇の温泉「北のしーま」(入浴料400円)の湯に入り、最後に最東端の石崎に立った。ここには赤白2色に塗る分けられた石崎灯台が立っている。こうして63キロの「利尻島一周」を終え、鴛泊港に戻ってきた。

 鴛泊港に戻ったところで宿探し。ところがどこも満員だ。唯一、ユースホステルの「利尻ぐりーんひる」があいていたので宿泊を頼んだ。ぼくはユースの会員ではないので、宿泊料金はけして安くない。素泊まりで4095円。

 夕食をすませていこうと、すし屋で上のにぎり(1500円)を食べたが、店の雰囲気はよくないし、うまくもないし‥で、散々だ。
「セイコーマート」でカレー弁当(390円)を買って食べなおした。
 利尻山に登るので、登山用にパン2個とおにぎり4個、チョコレート、ポカリスエットを買ってユースホステルに行く。利尻山登山に備え早々と寝た。

 翌朝は4時に出発。鴛泊港前のペシ岬で昇る朝日を眺めた。利尻山登山には絶好の天気。空が青い。
 鴛泊から登山口へ。その間、5キロ。駐車場にSMX50を停め、4時15分、山頂目指して歩きはじめる。10人前後の登山者のグループを追い抜いていく。年配の人たちばかりで、そこには若者の姿はない。今や登山は中高年のものになった感がある。

 4時30分、3合目に到着。ここには日本の名水100選にも選ばれている利尻富士の湧き水「甘露水」がある。水量豊かで、その名のとおり、甘味を感じる湧き水だ。
 ここからが本格的な登山道になる。

 4時50分、4合目。
 5時15分、5合目。このあたりまでは順調だ。
 5時45分、6合目。ここには樹林を抜け出たところに見晴台がある。
 6時05分、7合目に到着。ここからがきつくなる。ガクッとペースが落ちる。
 7時05分、8合目。
 7時50分、9合目。
 そして9時、ついに標高1721メートルの山頂に到達した。

 4時間45分の登り。30分ほど頂上からの絶景を眺め下山した。
 下りは2時間30分。
 登山口近くの「利尻富士温泉」(入浴料400円)の湯につかり、疲れきった体をいやした。

秘湯めぐりの峠越え(52)土湯峠編(福島)

2009年11月06日 22:07

 (郡山→福島185キロ・取材日1996年4月18日〜19日)

渓流上の温泉宿
 昭文社の桑原和浩さんと一緒に東北に行った。目的地は福島だ。
 カソリがスズキDJEBEL250XCで、桑原さんはBMWのGS−1100。外環道から東北道に入り、一気に郡山南ICまで走った。

 我々の1晩の宿は、奥羽山脈山麓の源田温泉「熊田屋旅館」。ここは“林道派”ライダーにはぴったりの温泉宿。日山源田林道の入口にある温泉宿なのだ。

 それだけではない。なんと、渓流上の温泉宿なのだ。
 いままで渓流沿いの温泉宿には、それこそ数えきれないほど泊まっているが、渓流上の温泉宿は初めての経験。部屋の真下をサラサラ音をたてて渓流が流れているのだ。

 ぼくたちのほかには泊まり客もなく、石づくりの湯船にゆったりとつかり、大広間での夕食になる。イワナの塩焼き、コイのアライ、フキノトウやワサビの葉などのてんぷら、ワラビのおひたし、コイコクと、山里の味覚をたぷりと味わった。

 夕食後、今度は部屋で渓流の音を聞きながら、『ツーリングマップ』を肴にしてビールをグイグイと飲み干した。
 昭文社の『ツーリングマップ』は大幅に改定されることになり、ぼくが東北版を担当することになった。その打合せをも兼ねて桑原さんと東北の温泉宿にやってきたのだ。

 翌朝は、朝食のあと、日山源田林道を走る。宿の前が林道入口なのだ。見晴らしのよい林道。気分よく走れる。
 ところが、峠に近づくにつれ、あっというまに積雪量が多くなり、ついに通行不能‥‥。残念ながら、峠近くの地点で引き返した。

 この日山源田林道はダート11キロ。林道入口から出口まで、きちっとダートなのがうれしい。高旗山北側の峠を越えるが、この高旗山は、“福島のヘソ”になっている。

土湯峠周辺の温泉めぐり
 R49で中山峠を越え、猪苗代湖畔へ。ここで昼食。湖畔のレストラン「会津藩」で名物の「磐梯噴火ラーメン」を食べる。激辛肉ラーメンでまっ赤な色の汁。ヒーヒーいいながら喜多方ラーメン風の麺を食べたが、ぼくはこういうのって、好きなのだ。

 R49からR115に入り、土湯峠へ。全長3360メートルのトンネルを抜け出たところで、旧道で土湯峠に向かって行く。土湯峠の周辺は日本でも有数の温泉の宝庫なのだ。 まず最初に、野地温泉「野地温泉ホテル」の露天風呂に入る。いかにも温泉といった感じの白濁色の湯で硫黄の匂いがプーンと鼻をつく。

 つづいて新野地温泉、鷲倉温泉と温泉のハシゴをしたが、これら3湯はともに1軒宿の温泉で、どこも、湯量が豊富だ。新野地温泉と鷲倉温泉の間を下っていく赤湯温泉と、土湯峠の手前を入っていく幕川温泉はまだ、冬期休業中だった。

 標高1224メートルの土湯峠に立つ。強烈な風の冷たさ。峠周辺には雪の壁ができていて、冬景色と変わらない。この時期、峠の上と下とでは、まったく季節が違う。

 磐梯吾妻スカイラインがオープンしたので、峠のドライブインも営業を始めていた。
 土湯峠を下り、R115に戻る。峠道を下るにつれて、雪は消える。土湯温泉まで下ると、やっと春らしくなった。峠の上と下とでは気温は10度以上は違う。共同浴場の湯に入り、東北道の福島西ICに出た。

■一口メモ■
土湯峠は中通りと会津の境。このあたりは日本でも有数の温泉の宝庫。今回、立ち寄った温泉のほかにも、会津側の峠下には横向温泉、中ノ沢温泉、沼尻温泉がある。中通り側の土湯温泉の奥には東海温泉、川上温泉、不動湯温泉がある。それら3湯は1軒宿の温泉。とくにダートを走り、最後は急坂を下る不動湯温泉はきわめつけの秘湯だ。


■土湯峠編で立ち寄った温泉一覧■
1、源田温泉   熊田屋旅館 500円 日山源田林道の入口にある渓流上の温泉宿
2、休石温泉   静山荘   400円 三森峠下の静かな温泉。源義家伝説の地 
3、磐梯熱海温泉 宝の湯   300円 R49沿いの共同浴場。駅前には元湯浴場 
4、野地温泉   野地温泉  500円 露天風呂が最高にいい。内湯に金精さま 
5、新野地温泉  相模屋旅館 500円 乳白色の湯。湯量豊富。ガラス張り内湯 
6、赤湯温泉   好山荘   −−−− 冬期休業中。5月上旬にオープン 
7、鷲倉温泉   高原旅館  500円 土湯峠にもっとも近い温泉。湯量豊富 
8、幕川温泉   −−−−  −−−− 冬期休業中。5月上旬にオープン 
9、土湯温泉   中ノ湯   100円 温泉街の中心にある共同浴場。超熱めの湯

カソリの島旅(29)礼文島

2009年11月06日 06:33

 (『ジパングツーリング』2001年11月号 所収)

 5時30分、岩尾別温泉を出発。知床半島からオホーツク海沿いに走り、本土最北端の宗谷岬を目指す。天気は一変し、一面の鉛色の空。冷たい雨がシトシトと降っている。

 宇登呂から斜里へ。その途中では海岸のすぐ近くの大滝、オシンコシンの滝を見る。斜里にちかづくと、麦やビート、ジャガイモなどの広大な畑が見られるようになる。斜里に着くころには、ありがたいことに雨はやんだ。

 斜里からは国道244号で網走へ。網走に着くころにはまた雨が降りだし、それ以降はずっと雨…。オホーツク海に突き出た能取岬に寄り道する。知床岬から宗谷岬までのオホーツク海ではこの能取岬は唯一の岬らしい岬だ。岬の突端には黒白2色に塗り分けられた灯台が立っている。

 能取岬から国道238号へ。その間には3キロほどのダート区間が残っている。海沿いの「北海道一周コース」の中では、唯一のダート区間だ。

 常呂、湧別と通り、紋別を過ぎると雨が激しくなり、気温が急激に下がる。SMX50にしがみつき、ガタガタ震えながら走る。歯がカチカチ鳴ってしまうような冷たさだ。国道沿いのデジタルの温度計は6度を示している。前日が25度を超えたので、なんと20度近い温度差。
「寒いよ〜」の連発。

 稚内まで走るつもりでいたが、諦めて中頓別温泉の「北オホーツク荘」に泊まる。
 宿に着いたときは手がかじかみ、宿帳を書けないほど。係の女性は部屋の暖房を入れてくれた。これが6月の北海道‥。すぐさま湯に飛び込む。生き返ったー!

 翌朝、浜頓別温泉を出発したのは5時。真冬と変わらないような強烈な寒さ。オホーツク海から吹きつけてくる風がよけいに寒さを増す。
 本土最北端の宗谷岬に立ち、オホーツク海から日本海に入ると、風がやみ、海が穏やかになる。気温も上がってほっと一息ついた。

 稚内到着は午前10時。苫小牧から稚内までは1324キロだった。
 稚内駅前の「ひさし食堂」でかにめし(1200円)を食べ、稚内港へ。いよいよ北海道の島巡りの開始だ。その第1島目は礼文島。

 10時50分発の東日本海フェリー「クイーン宗谷」(3531トン)にSMX50とともに乗る。ぼくのほかには4人のツーリングライダー。甲板では、礼文島に着くまでの間、みなさんたちとツーリング談義で盛り上がった。

 稚内港から1時間55分で礼文島の香深港に到着。みなさん、今晩は「緑ヶ丘キャンプ場」に泊まるとのことで、そこでの再会を約束して別れた。
 礼文島は南北に細長い島。香深港は島の南に位置している。島の西海岸は切り立った断崖が連続しているので、島一周の道はない。

 礼文島縦断の道道40号を北へ。船泊の食堂「あじさい」で礼文島の名物バフンウニのウニ丼(2000円)を食べ、最北端のスコトン岬に立った。つづいてゴロタ岬、澄海岬と礼文島の3名岬に立ち、香深に戻った。

 香深の銭湯「北限湯」(360円)に入り、「緑ヶ丘公園キャンプ場」に行った。「クイーン宗谷」の面々と再会。楽しい一夜になった。

 翌日は「緑ヶ丘キャンプ場」を午前4時に出発。その日は夏至なので一段と日が長く、4時といえば、もう十分に明るい。
 香深港から道道40号を南へ。4キロほど行った知床の集落で道は行き止まりになる。その先は礼文島西海岸の断崖絶壁になる。

 知床では小さな漁港を歩いた。ちょうど1隻の漁船が漁に出るところだった。タコ漁だという。このあたりのタコ漁というのは、タコ壺を使うのではなく、タコ樽を使っている。タコ樽を流すのだ。その樽には餌のついた針がぶらさがっている。タコもウニ同様、礼文島の名産になっている。

 香深港に戻ると、次に礼文島を横断し、峠のトンネルを抜け、元地へ。そこは礼文島の西海岸では唯一の集落。道は名所「地蔵岩」で行き止まりになる。その手前にある「佐藤売店」で朝食。500円のウニ汁と1000円のウニ丼を食べた。

 この1000円のウニ丼でちょっとものたりないが、「佐藤売店」にはそのほか1800円のダブルウニ丼と、2600円のスペシャルウニ丼があった。

 2日連続のウニ丼に満足したあと、「桃岩展望台」に登った。礼文島は高山植物の花の季節。前日は澄海岬に近い鉄府で礼文島の高山植物を代表するレブンアツモリソウの白い花を見た。ここでは紫色のミヤマオタマキの花が目立った。

 香深港に戻ると、今度はダート7キロの礼文林道を走った。稜線を縫って走る礼文林道の沿道でも、何種類もの高山植物の花々が見られたが、そのなかでも赤紫色のハクサンチドリが目立った。

 全部で300種以上もの高山植物が見られるという礼文島は、まさに「高山植物の島」。それも高山だけでなく平地でも見られるところが礼文島のすごさなのだ。

 最後に道道40号のエリア峠にある「高山植物センター」(入園料200円)に行き、今の季節に咲いている礼文島の高山植物の花々を見た。

秘湯めぐりの峠越え(51)天城峠編(その2・静岡)

2009年11月06日 06:27

 (下田→三島105キロ・取材日1996年4月14日)

大滝温泉の露天風呂
 下田からR414→R136で三島へと向かっていく。
 バイクはスズキDJEBEL250XC。このニューDJEBELにもすっかり慣れたが、ビッグタンク、大型のヘッドライト、中低速でに走りやすさ等々、ほんとうにツーリングしやすいバイクだ。

 下田を出発すると、すぐに、第1湯目の河内温泉。
 旧道沿いの「金谷旅館」の千人風呂に入る。ここはいい。木の湯船、木の洗い場。湯けむりがモウモウとたちこめている。温泉情緒も満点。そのまま露天風呂にも行ける。湯量の豊富な温泉だ。

 河内温泉から1キロほど行くと、第2湯目の蓮台寺温泉。ここでは、「三吉屋旅館」の湯に入った。
 婆娑羅峠を越えて西伊豆の松崎に通じる道と分かれ、ゆるやかな峠を越え、第3湯目の湯ヶ野温泉へ。ここでは前々回の「天城峠編」のときにも入った国民宿舎「かわづ荘」の露天風呂に再度、入った。

 つづいて第4湯目、天城峠下の大滝温泉「天城荘」の湯に入る。河津七滝最大の、豪快に流れ落ちる大滝を眺めながら露天風呂の湯につかる気分は最高だ。ここにはなんと、露天風呂だけでも15湯もある。混浴の洞窟風呂もすごい。「天城荘」を出発するときにはけっこう足腰にきて、ふらついてしまった。

旧道での天城峠越え
 R136の天城トンネルの料金所手前で右折し、天城峠旧道のダートに入っていく。
 杉林の中を走る。ハイカーの姿をけっこう見かける。走りやすいダートで、乗用車も通っている。やがて峠のトンネル。『伊豆の踊り子』にぴったりのたたずまいだ。

 天城峠を越え、南伊豆から中伊豆に入る。
 天城峠の旧道を下ったところが、本谷林道との分岐点。そのまま直進し、本谷林道に入っていったが、天城峠の旧道は5キロのダートになる。
 本谷林道もよく整備された林道で走りやすい。

 天城連峰の主峰群に向かって登っていく。八丁池に通じる支線や白砂林道との分岐点を過ぎ、稜線近くを走る。眺めがいい。

 やがて一気の下り。岩尾林道にぶつかり、さらに下って舗装路に出る。本谷林道、岩尾林道を合わせてダート11キロ。最後は、舗装が延びた松山林道で、ダート2キロ。天城峠旧道→本谷林道→岩尾林道→松山林道と走りつなぎ、18キロのダートだった。

 国士峠下の集落、長野に出、湯ヶ島温泉へ。
 中伊豆の温泉めぐりの開始だ。
 第5湯目の湯ヶ島温泉では、共同浴場「河鹿の湯」に入った。ぼくのよく利用する共同浴場で、湯上がりに食べた100円のアイスクリームがうまかった。

 R136との合流点の交差点に出ると、R136で4、5キロ、土肥峠(船原峠)方向に行き、第6湯目の船原温泉「船原館」の湯に入る。気分よく入れる湯。お狩り場焼きを名物にしているので、今度は泊まりで行ってみたい。

 R136で三島へ。日が暮れる。
 第7湯目の修善寺温泉では、無料の混浴露天風呂「独鈷の湯」に入った。日が暮れたこともあって、何人かの入浴客と一緒になった。
 最後に第8湯目の伊豆長岡温泉に行き、「南共同浴場」の湯に入り、三島に出た。

■一口メモ■
中伊豆の温泉というと、今回入った4湯のほかに、R136沿いには韮山温泉、大仁温泉、山裾には畑毛温泉、奈古谷温泉、駒ノ湯温泉、白岩温泉、柳瀬温泉、R414沿いには月ヶ瀬温泉、嵯峨沢温泉、少し入ったところに吉奈温泉がある。これら中伊豆の温泉は、すべてが狩野川の本流、支流沿いにある。


■天城峠編その2で立ち寄った温泉一覧■
1、河内温泉   金谷旅館  1000円 温泉情緒たっぷりの千人風呂はいい  
2、蓮台寺温泉  三吉屋旅館  500円 トロピカルな大浴場         
3、湯ヶ野温泉  かわづ荘   500円 国民宿舎「かわづ荘」の露天風呂   
4、大滝温泉   天城荘   1000円 温泉のオンパレード。すごいの一言  
5、湯ヶ島温泉  河鹿の湯   250円 共同浴場。13時〜22時30分   
6、船原温泉   船原館    800円 ガラス張りの大浴場         
7、修善寺温泉  独鈷の湯    無料湯 温泉街の中心にある混浴の露天風呂  
8、伊豆長岡温泉 南共同浴場  200円 もう一ヵ所、「あやめの湯」もある         

カソリの島旅(28)国後島(北海道)

2009年11月05日 05:30

 (『ジパングツーリング』2001年11月号 所収)
 
 根室から知床半島の玄関口、標津へ。
 標津に着くと、まずは浜に立ち、根室海峡の向こうの国後島を眺める。面積1500平方キロの日本第2の大島だ。千島列島の中では第3位。標津からは国後島の南端あたりが見える。

 標津温泉の公衆温泉浴場「くすのき」(入浴料360円)の湯に入り、町中の食堂「亀代」で「ホタテ刺し身定食」(1250円)を食べ、知床半島に入っていく。

 滝の沢林道を走り、知床半島第一の秘湯、薫別温泉へ。
 岩棚の露天風呂の湯は熱く、そなえつけのバケツで何十杯もの渓流の水をくみ入れ、やっと湯につかることができた。

 薫別で国道335号に出、羅臼に向かって走る。右手には国後島がはっきりと見える。国後島を眺めながら走る気分はたまらない。
 このあたりから見えているのが国後島南西部の泊湾。島内最良の湾で、かつては根室との間を定期船が往復していた。

 羅臼からさらに根室海峡沿いに北へ。国後島がよりはっきりと見える。海中露天風呂のセセキ温泉では、水平線上の国後島を眺めながら湯につかった。このあたりから眺める国後島はいくつもの大島が鎖状に連なっているかのように見える。

 セセキの先、相泊の海岸には、相泊温泉の露天風呂。小屋掛けをしてあって男女別の湯に分かれている。
 相泊の海岸から国後島を眺めると、島の最高峰、爺爺岳(1822m)が霞んで見える。知床半島の山々にはまだかなりの残雪が見られたが、爺爺岳に雪はなかった。

 道の行き止まり地点にある食堂「熊の穴」では「トド肉定食」(1200円)を食べた。海獣トドの焼肉で、北海道ならではのもの。クジラに似たトドの肉の味だ。

 相泊から羅臼に戻る。夕日に照らされた国後島が一段とよく見えるようになる。
 羅臼では「羅臼国後展望台」に立ち、夕暮れの国後島を眺め、羅臼温泉の「らうす第一ホテル」に泊まった。

 翌朝は朝風呂に入ったあと、5時、出発。今日も抜けるような青空。3日つづきの快晴だ。羅臼から知床半島横断の国道334号で知床峠に向かう。峠の登り口の無料露天風呂「熊の湯」に入る。人気の湯だけあって、早朝から何人もの人たちが入っている。

 湯から上がると知床峠を登っていく。空の色がますます青くなり、スーッと吸い込まれそうになる。快適なコーナリングを繰り返し、標高738メートルの知床峠に到達。知床半島の最高峰、羅臼岳が目の前にそびえたっている。

 ここでは車でやってきた若い女性に、
「写真をとってくださ〜い!」
 と頼まれてシャッターを押した。
「私、これから、あの羅臼岳に登るんです。山頂からは択捉島が見えるんですよ」というではないか。

 ノーブラで薄地のTシャツ1枚の、胸をプルンプルンとさせてる彼女の「択捉島が見えるんですよ」の一言に心を動かされ、ぼくも即座に羅臼岳に登ることにした。

 知床峠を越え、オホーツク海側の宇登呂に着くと、観光船の案内所でトーストとコーヒーの朝食を食べ、岩尾別尾の無料混浴露天風呂→知床五湖→カムイワッカ湯の滝→知床大橋と速攻でまわり、宇登呂に戻った。

 宇登呂の「セイコーマート」でクリームパン、シュークリーム、缶紅茶の軽食を食べ、おにぎり4個とチョコレート、ミネラルウォーターを買い、岩尾別温泉へ。そこから羅臼岳を登っていく。

 岩尾別温泉から4時間15分、標高1660メートルの羅臼岳山頂に着いた。
 山頂からの眺めは絶景。
 知床の連山を一望し、長々と横たわる国後島のはるか向こうには、まるで空に浮かんでいるかかのような見え方で、択捉島が見えた。感動のシーン。

 羅臼岳を下ると、岩尾別温泉の「地の涯ホテル」に泊まった。


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