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カソリの島旅(26)佐渡島(新潟)その2

 (『ジパングツーリング』2001年10月号 所収)
 
 佐渡の2日目。
 今日はよく晴れている。うれしい!
 住吉温泉「みなみ旅館」では、まず寝起きの朝風呂に入り、それから朝食。佐渡特産の海草イゴ(エゴ)を練り固めたイゴネリが出た。さっぱりした味わい。

 8時に宿を出発し、両津港へ。前日は佐渡島を8の字で一周したので、今日は佐渡島横断ルートを走るのだ。
 両津の市街地を走っていると、1台のバイクとすれ違った。そのバイクはUターンするなり、ぼくを追いかけてきた。

 な、なんと「伊豆諸島編」の伊豆大島で出会った「サハリン軍団」の竹澤裕介さんではないか。竹澤さんは1年間休職し、ヤマハのTT250Rで「日本一周」に旅立った。そんな竹澤さんと劇的な再会をはたしたのだ。
 両津港の岸壁で記念撮影。

 今日1日、竹澤さんと一緒に走ることにした。50㏄バイクについて走ってくれるという。まずは北の石名和木林道を走る。内海府の和木から峠を越えて石名に抜ける林道だ。 和木から和木川沿いに走り、峠道に入っていく。きつい登りだ。急坂を走りきり、林道完成の記念碑が立つ峠に到達したときは、思わず「万歳!」を叫んだほどだ。

 峠までの登りは地獄だったが、外海府の石名の集落までの下りは天国。この地獄のあとの天国もツーリングの醍醐味。石名和木林道は全線舗装だ。

 次にダート20キロの大倉黒姫林道を走り、外海府から内海府に戻った。
「内海府」、「外海府」の言い方も、いかにも歴史の古い佐渡島らしい。内海府は内海の海岸で、外海府が外海の海岸になる。中央部が「国中」だ。

 両津港に戻ると、『ツーリングマップル』にも出ている港前の食堂「スタミナ道場」で昼食。和定食(1300円)を食べた。

 午後の佐渡島横断はドンデン山越え。ところが行けたのはドンデン山の山頂近くまでで、その先、外海府までは残雪のために行き止まりになっていた。
 次に、「大佐渡スカイライン」を走る。島とは思えないようなすごいスカイライン。
 最後に3湯の温泉めぐりをした。

 両津港に戻ったのは20時30分。もう1日、佐渡島にいるという竹澤さんの見送りを受け、ぼくは21時30分発の新潟行き「おおさど丸」に乗り込んだ。

 新潟港到着は23時50分。
 24時に佐渡汽船ターミナルビル前を出発し、東京・日本橋までは一気走りをした。日本橋到着は12時10分だった。
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テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

カソリの島旅(25)佐渡島(新潟)その1

 (『ジパングツーリング』2001年10月号 所収)
 
 新潟到着は19時30分。新潟駅前から信濃川河口の佐渡汽船のターミナルビルへ。
 最終のフェリーまではまだ時間があるので、ターミナルビル8階の展望レストラン「シェルブール」で夕食にした。

 「島旅」ではずっと魚を食べつづけてきたので、無性に肉が食べたくなり、ステーキとハンバーグの「ミックスグリル」(1200円)を注文し、新潟の夜景を見ながら食べた。何か、ものすごく久しぶりに肉を食べた気分。裏を返せば、それほど毎日、魚を食べていたことになる。

 21時40分発の「おけさ丸」(1万2419トン)に乗る。佐渡島は日本では択捉島、国後島、沖縄本島に次ぐ第4位の大島。1万トンを超えるフェーの大きさは、佐渡島の大きさを物語っている。

 24時に佐渡島・両津港に到着。すぐに両津に近い椎崎温泉の「ホテル桂」に行く。新潟港から電話した宿だが、守衛さんが部屋まで案内してくれた。すぐに大浴場の湯につかり、湯から上がると、部屋でキューッと冷えたビールを飲み干した。

 翌朝、夜が明けると、4階の部屋の窓から加茂湖を見下ろした。湖面には無数の養殖用筏。ここではカキを養殖している。

 さっそく朝風呂に入る。目をさましてすぐに入る温泉ほど気持ちのいいものはない。大浴場の湯をぼく一人で独占して入っていると、タヌキがやってきた。浴場のガラス越しにタヌキと目が合う。タヌキは好奇心いっぱいという顔をしていた。

 8時に出発。そのころから雨がかなり激しく降ってくる。雨具を着て走り出すのはいやなものだ。雨に打たれながら両津港まで行った。
 ここを出発点にして、8の字を描くように佐渡島を一周するのだ。

 まずは佐渡島の北半分を反時計回りでまわる。
 両津から北へ、内海府の海沿いを行く。雨は激しく降っているが、海は穏やかで波ひとつない。対岸の越後の山々はまったく見えない。

 佐渡島北端の弾崎へ。岬には白い灯台。岬の高台に立つと、左手には二ツ亀が見える。その名のとおり、2匹の亀のように見える大岩だ。その二ツ亀に行き、次に大野亀へ。大野亀は「日本のエアーズロック」といってもいいような一枚岩の巨岩で、てっぺんまで歩いていける。上からの眺めは絶景だ。

 大野亀からは外海府の海に沿って南下していく。幸い、天気は回復し、雨は上がった。相川を通り、佐和田からは国道350号で両津に戻った。

 この国道350号はおもしろい国道で、本土側はわずかな距離でしかない。新潟から両津までは国道フェリー、両津から小木までが佐渡島内で、小木から直江津までがやはり国道フェリーになっている。

「佐渡島一周」の前半戦、終了。ここまで115キロ。やはり佐渡島は大きな島だった。今までまわってきた島とはスケールが違う。

 午後は佐渡島の南半分を時計回りでまわる。途中、津神島と風島に立ち寄った。ともに渡れる小島だが、津神島には津神神社が、風島には弁天がまつられている。

 寺泊へのフェリーが出る赤泊を通り、羽茂町に入ったところで、佐渡の一の宮、渡津神社に寄り道する。渡津神社の赤い大鳥居には、誇らしげに「一宮」の額が掲げられている。豪壮な造りの社殿はさすがに佐渡の一の宮を思わせるものだ。佐渡は淡路や対馬などとともに、日本に5つある「島国」のひとつなのである。

 渡津神社に隣り合った植物園を歩き、羽茂温泉「クアテルメ佐渡」(入浴料500円)の湯に入る。やわらかなタッチの湯で、肌がスベスベになる。

 こうして渡津神社から海岸沿いに走る「佐渡一周道路」に戻り、小木町に入った。小木港では、ちょうど佐渡汽船の大型フェリー「こがね丸」(9504トン)が直江津に向けて出港するところだった。

 小木から宿根木へ。
 ここにある「小木民俗博物館」(入館料500円)は一見の価値がある。復原された実物大の千石船「白山丸」が展示されているからだ。全長23メートル、最大幅7メートルの千石船は超ド迫力。江戸時代の日本の造船技術の高さをまのあたりにする。

 佐渡島突端の深浦からは迂回ルートで沢崎鼻へ。そこには白い灯台が立っている。西日を浴びた沢崎鼻の灯台は、なんともいえずにきれいだった。

 ここを最後に両津に戻る。後半戦は139キロ。合計254キロの「佐渡島一周」。両津に近い住吉温泉「みなみ旅館」に泊まった。

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カソリの島旅(24)粟島(新潟)

 (『ジパングツーリング』2001年10月号 所収)
 
 朝のテレビで天気予報を見ると、全国的に雨‥。そのなかにあって、岩船港のこのあたりはまあまあの天気なのがうれしい。雲は多いが、薄日がさしている。

 8時、朝食。キスとクロガレイの焼き魚が出た。民宿「岩船荘」のご主人は釣り師。朝から釣り糸の準備で余念がない。

 ここでは自転車で日本縦断中の三浦清さんに会った。九州の佐多岬を出発し、北海道の宗谷岬を目指している。同じ2輪同士ということで、ライダーとチャリダーは気が合う。しばしツーリング談義に花を咲かせた。

 岩船港10時30分発の粟島汽船の「フェリーあわしま」(626トン)に乗船。粟島に渡る。ひとつ残念なことは、旅行者のバイクは乗せてもらえないことだ。
 まあ、仕方ないか‥。
 ということで、相棒のスズキSMX50は岩船港の駐車場に置いていく。

「フェリーあわしま」の2等が1830円。90分の船旅だ。岩船港を出ると残雪の朝日連峰や飯豊連峰の山々がよく見える。
「島旅はいい!」
 と、心底そう思う。
 巡る島の数だけの「船旅」がある。

 12時、粟島に到着。粟島浦村役場のある内浦港だ。
 まずは温泉。港から徒歩2、3分の漁火温泉「おと姫の湯」(入浴料500円)に入る。男女別の湯。浴室に入ると、髪の長い女の子がいるではないか。
「あー、いけねー。間違えた」
 と、あわてて飛び出した。

 ところがやはり「男湯」なのである。入りなおしてよく見ると、お父さんと一緒の小学生前ぐらいの女の子だった。
 塩分の強い湯。湯につかりながら日本海越しに越後の山々を眺めた。

 湯から上がると、フェリーターミナル2階のレストラン「憩」で、粟島の名物料理「わっぱ煮」(1200円)を食べた。木の曲物のわっぱの中に、焼け石が2個、入っている。わっぱ煮は焼け石料理なのだ。その中には焦げ目のついた焼き魚のタイとネギなどの野菜が入っている。

 食事を終えると内浦の集落をプラプラ歩き、14時30分発の「フェリーあわしま」で岩船港に戻った。近くの瀬波温泉に入り、新潟に向かうのだった。

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カソリの島旅(23)飛島(山形)

 (『ジパングツーリング』2001年10月号 所収)
 
 国道7号沿いの宮海温泉「ゆうゆう」で迎えた夜明けの風景は、すばらしいものだった。 朝日が鳥海山の右手に昇る。目の前を流れる日向川がキラキラ光っている。この川は鳥海山から流れ出ている。国道7号が北に延び、左手には日本海が広がっている。空には一片の雲もない。

 朝風呂に入り、朝食を食べ、出発。
 酒田の中心街に入っていく。今でも庄内米の倉庫として使われている山居の倉庫群を見、最上川河口の日和山公園へ。ハマナスの花がきれいに咲いている。公園内の池には、かつての日本海航路を行き来した北前船の千石船が帆を張って浮かんでいる。実物の2分の1の模型。そして飛島航路の乗り場に行く。

 酒田から飛島の勝浦港までは、人が2040円、バイクは570円。この季節、平日は1日1便。9時30分発の「ニューとびしま」に乗った。300人乗りの双胴船(223トン)。酒田港から日本海に出ていく。右手には鳥海山が大きく見えている。

 11時、飛島南端の勝浦港に到着。
 スズキSMX50を岸壁に下ろし、さっそく島を走り出す。小さな島に50㏄バイクはぴったりだ。海沿いの道を行く。対岸の鳥海山の残雪がはっきりと見える。飛島には勝浦、中村、法木と3つの漁港がある。ここは漁業の島だ。

 勝浦から法木まで4キロ。
 法木から飛島北端の八幡崎へ。展望台に立ち、うっそうとした樹木で覆われた岬を眺める。そこから遊歩道で岬の突端にある八幡神社まで行った。

 飛島北端のあとは、南端の館岩に登り、勝浦港に戻った。
 飛島・勝浦港近くの「西村食堂」で昼食。
 日替定食(800円)を食べる。煮魚のメバルがなかなかの味。さすがに島だ。それに身欠きニシン風ホッケの煮つけがついた。店のおばちゃんには「今度は泊まりでいらっしゃい」といわれた。そうすれば、夏の間だと、「体験イカ釣り」(4時~6時)ができるという。

 13時30分発の「ニュー飛島」に乗って酒田へ。
 酒田では国道7号近くのバイクショップ「エスプラッツ」で2ストオイルを入れてもらう。店のご主人、本間正人さんとのうれしい再会。2年前の「日本一周」のときには、本間さんにはずいぶんとお世話になった。

 そんな本間さんに別れを告げ、酒田から海沿いの道を南下。由良温泉では国民宿舎「由良荘」(入浴料250円)の湯に入った。そして朱塗りの橋で白山島に渡った。白山神社をまつる小島だ。

 由良から国道7号を南下。東北最後の地、鼠ヶ関に到着。国道のすぐわきには「念珠関跡」の碑。ここには慶長年間から明治5年まで関所があった。それ以前の「奥羽三関」の鼠ヶ関はここより南に1キロ、ちょうど今の山形と新潟の県境あたりにあったという。

 鼠ヶ関では地つづきになっている弁天島を歩いて一周。500メートルほどの距離。弁天堂をまつる島突端の岩場には、白い灯台が立っている。

 山形県から新潟県に入る。
 海沿いの道を走り、岩船港前の民宿「岩船荘」に泊まった。

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カソリの島旅(22)帆掛島(秋田)

 (『ジパングツーリング』2001年10月号 所収)
 
 秋田県北部、八森漁港での夜明け。4時には目がさめ、すばやくテントを撤収し、4時15分には出発だ。旅の毎日は、まるで機械のような正確さで、夜明けととも目がさめる。

 国道101号で能代へ。
 途中の「道の駅・みねはま」で洗面・トイレ。次々と新しい道の駅ができているので、我らツーリングライダーにとっても、なんともありがたい。

 6時には能代に到着。町中の「けやき公園」のケヤキの新緑が目にも鮮やかだった。
 能代から国道7号を南下。厳密にいえば国道101号との重複区間の7号になる。国道沿いの「ローソン」でシャケとタラコのおにぎり2個と缶入り緑茶の朝食を食べ、国道101号で男鹿半島に入っていく。

 まずは大晦日の伝統的な行事「なまはげ」で知られる真山神社に向かう。
 その途中には「万体仏」。小さなお堂の壁や天井には、1万体を超えるという杉で彫られた木彫仏がびっしりとすきまなくまつられている。

 男鹿三山・真山の麓にある真山神社を参拝したあと、隣接した「なまはげ館」と「伝承館」(共通券800円)を見学した。「なまはげ館」では、なまはげの行事がどういうものなのかがよくわかる。「伝承館」では、なまはげの実演を見た。なまはげの登場のシーンはド迫力だった。

「なまはげ」は男鹿半島全域でおこなわれているが、包丁を手にした鬼たちが「泣く子はいねが」、「なまげ嫁はいねが」と叫びながら家々をねり歩く。

 男鹿半島のシンボル的存在の真山神社からは、真山林道経由で防衛庁の専用道路に入り、真山、本山、毛無山の男鹿三山を目指して登っていく。

 道幅の広いダート。急勾配の登り。かなりきつい登りで、SMX50を2度、3度と止め、エンジンを冷まさなくてはならなかった。男鹿三山は男鹿半島の聖山。ところが今は自衛隊のレーダー基地で、山頂周辺は立ち入り禁止地域になっていた‥。

 男鹿三山から男鹿半島縦貫の「なまはげライン」に下り、男鹿温泉へ。
 国民宿舎「男鹿」(入浴料300円)の湯に入った。

 男鹿半島突端、北緯40度線上の岬、入道崎へ。白黒2色に塗り分けられた灯台(170円)に登る。目の前に浮かぶ岩礁の水島を見下ろす。灯台から下りると、岬の園地を歩く。北緯40度線のモニュメントの石の日時計を見る。

 そのあと、昼食にする。ここは人気の岬で、売店や食堂がズラッと並んでいるが、「海陽」という店に入り、「イカ刺し丼」(980円)を食べた。イカの塩辛と小魚の汁つき。さすがに日本海のイカだけあってうまかった。

 入道崎から男鹿半島南岸の道を行く。半島南端の潮見崎近くでは、干潮時に磯づたいに歩いて渡れる島を発見!
 帆掛島だ。
 軍艦のようにも見える大岩。
 これが秋田県での唯一の島となったが、青森から秋田にかけての日本海側にはほんとうに島がない。

 男鹿半島の最後は寒風山。山頂から男鹿半島を一望し、売店で秋田名物のきりたんぽ(1本250円)を食べ、秋田へ。
 秋田からは国道7号を南下。本荘を通って山形県に入り、酒田の宮海温泉「ゆうゆう」でひと晩泊まった。

テーマ : 国内旅行
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カソリの島旅(21)弁天島(青森)

 (『ジパングツーリング』2001年10月号 所収)
 
「本州東部編」は太平洋経由の「東京→青森」と、日本海経由の「青森→東京」の2パートに分けて走った。前回までが前半戦の「東京→青森」で、今回からが後半戦の「青森→東京」ということになる。

 青森では青森駅に近い「ビジネスホテルヤスダ」に泊まった。7時半朝食。ぼくのほかにはネクタイをしたサラリーマン然とした中高年の人たちが3人いた。みなさん、疲れたような顔をしている。そのうちの1人の人は、「最近の若いヤツラは出張を嫌うので‥」と嘆いていた。

 元気をなくした今の日本を象徴しているかのような青森のビジネスホテルでの光景。そのうち日本はジジイとババアだけの国になってしまう。いや、もうすでになりかかっている。みなさん、宿のおばちゃんのつくってくれた朝食をほとんど残している。朝からパクパク食べているのはぼくだけだ。この「ビジネスホテルヤスダ」、なんと1泊2食で5000円。安い。

 5月19日午前8時、青森駅前に立つ。目指せ、東京・日本橋。キック一発、スズキSMX50のエンジンをかけ、走りだす。SMX50は今日もエンジン快調。軽快な2ストサウンドを響かせる。

 青森からは国道280号で津軽半島に入っていく。
 高野崎、龍飛崎、権現崎と岬めぐりをし、浜名温泉、龍飛崎温泉、竜泊温泉と温泉めぐりをし、小泊に近い一軒宿の雄之湯温泉に泊まった。
 大浴場の湯につかりながら、津軽半島の海岸線と岩木山を眺める。ここは“絶景湯”。

 翌日は小泊から日本海に沿って南へ。十三湖と岩木川の河口を見、快適に走れる広域農道の「米米ロード」で鰺ヶ沢に向かう。津軽のいシンボル、岩木山がどんどん大きくなってくる。

 国道101号に合流し、鰺ヶ沢に着くと、国道沿いの「葛西商店」で名物の焼きイカを食べた。炭火で生干しのイカを焼いてくれる店のおばちゃんは、前に来たときと変わらずに元気そうだった。鰺ヶ沢の焼きイカはうまいのだ。

 鰺ヶ沢から国道101号を南下。その途中では風合瀬(かそうせ)漁港の前にある弁天島と深浦の町を一望する大岩の2つの島に渡った。ともに歩いて渡れる島だ。そして夕日が日本海の水平線に落ちかかるころ、不老不死温泉(入浴料300円)の露天風呂に入った。間に合った! 

 湯につかりながら、海に落ちていく夕日を眺める気分は最高だ。
 青森県から秋田県に入る。
 八森いさりび温泉「ハタハタ館」(入浴料400円)の湯に入り、八森漁港のすみで野宿した。

テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

兄弟サイト(笑)「カソリング」、発進!

http://kasoring.com/

実は昨日、上のサイトについて教えられまして・・・。
(マジで知らんかった♪)

で、昨夜のうちに告知やリンクを貼りたかったのですが、某・路上飲み会で深夜帰宅。
ようやくここで記事を書こうとしたら、「今日北海道から帰着」とのこと。

う~ん、タイミングが悪かったな。
ま、この「賀曽利隆ON THE ROAD」とともに、兄弟サイトということでぜひ応援してあげてください!

読者からすると(もちろん管理人も)多少の住み分け・役割分担があったほうがいいと思いますので、近日中に3者会談でもしてきます。
打ち合わせは新宿BT上の喫茶店と決まってたのですが、値段と居心地のよさから最近はバタスの回数も増えたような・・・。

テーマ : ツーリング
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秘湯めぐりの峠越え(47)伊勢神峠編(愛知)

 (豊川→名古屋186キロ・取材日1996年1月12日・13日)

「さあ、温泉だ!」
 カソリ、気合を入れて、東名の豊川ICで降りる。
 相棒は「インドシナ一周1万キロ」を走ったスズキRMX250Sだ。

 まずは豊川稲荷に参拝し、これからの“温泉湯破行”の旅の安全を祈願する。そしてR151を北へ。一宮町に入ったところで、三河の一宮、砥鹿神社に参拝。ぼくはそれぞれの国の一宮近くを通るときは、極力、立ち寄るようにしている。

 平地と山地の境目、新城からはR301で本宮山に向かい、急カーブが連続する峠道の途中で右折し、雁峰林道に入っていく。ダート12キロ。雪ナシ。あまり見晴らしはよくないが、まあまあ、おもしろく走れる林道。R257の滝川の集落にで、長篠に下った。

 長篠では、長篠城址を見学。
 長篠といえば、織田・徳川の連合軍と武田軍の激戦の地。ここで武田が敗れ、戦国時代の歴史の流れが大きく変わった。そんな長篠から、ふたたび、R151を北へ。いっぺんに、奥三河の山地に入っていく。国道の日陰はアイスバーンだ。

 奥三河の温泉湯破行の第1湯目は赤引温泉。シシ鍋が名物の1軒宿の温泉。ここの展望大浴場はいい。

 つづいての第2湯目は、奥三河最大の温泉地の湯谷温泉。町営「ゆーゆーありいな」の湯に入る。大浴場には寝湯や泡風呂、サウナもある。露天風呂も。冬の抜けるような青空を見上げながら、露天風呂の湯につかる気分は最高!

 東栄町でR151からR473に入り、堤石峠へ。1軒宿の千代姫温泉に立ち寄ろうとしたが、見つけられずに断念。

 峠へ。
 ツルンツルンのアイスバーンの連続だ。崖っぷちの右カーブで転倒。ガードレールのないコーナーで、肝を冷やしたしたが、幸いにも、谷底に落ちもせずに止まった。そのあとは、気持ちをギュッと引き締めてアイスバーンの峠道を登っていく。

 堤石峠は短いトンネル。峠のトンネルを抜けると、シャーベット状の雪になり、アイスバーンよりは全然走りやすい。ホッとひと安心といった気分で峠を下った。

 堤石峠を下った設楽町の中心、田口からは、塩津温泉に行く。山あいの温泉。3軒の温泉宿。冷泉で、どこもまだ沸かしていないというこで入れなかったが、
「今度は泊まりで来てみたいな」
 と思わせるところだった。

 田口に戻ると、今度はR257を北へ。ゆるやかな峠を越え、稲武町に入り、R153との交差点近くにある夏焼温泉「青柳亭」に泊まった。

 寒風にさんざん吹きさらされたあとだけに、温泉のありがたさが身にしみる。ここの湯はいい。やわらかな感触の湯で、肌がツルツルしてくる。

 湯上がりの、ビールを飲みながらの夕食が、これまたいいのだ。シシ鍋と馬刺し、ハチノコ、川魚の塩焼き。

 シシ鍋のイノシシは、宿のご主人が、前日に仕止めた120キロの大物のものだ。奥三河では、イノシシがよくとれる。また、馬刺しやハチノコといえば、信州の名物料理。それがこうして奥三河の温泉宿の食膳に出るところに、飯田街道(R151。信州側では三州街道という)を通しての奥三河と信州の結びつきの深さをうかがわせるものだった。

 翌朝は強烈な寒さ。R153で伊勢神峠(トンネル)を越えたが、気温は氷点下7度。さすがに幹線のR153、凍結防止剤をバンバンまいてあるので、楽に走れた。
 伊勢神峠を越えた足助では足助温泉、白鷺温泉に立ち寄り、豊田を通り、名古屋に向かった。

■一口メモ■
奥三河には、今回、立ち寄った温泉のほかに、手作川河畔の小渡温泉、笹戸温泉、足助近くの川怒温泉、榊野温泉、猿投山麓の猿投温泉などがある。残念ながら、これらの温泉には入れなかったが、また、次の機会だと思っている。こうして、入りそこねた温泉があると、「よし、また行ってやろう!」という気になる。

■伊勢神峠編で立ち寄った温泉一覧■
  温泉名   温泉宿名  入浴料  一言コメント
1、赤引温泉  赤引温泉  700円  大展望風呂。岩風呂もある
2、湯谷温泉  町営共同湯 600円 「ゆーゆーありーな」は絶好の立ち寄り湯
3、千代姫温泉               現在は宿ナシ。町営湯の建設が予定されている
4、塩津温泉                3軒の宿。入浴のみは難しい
5、添沢温泉  霊泉閣          R257沿いの1軒宿。入浴のみは不可
6、夏焼温泉  青柳亭          1泊2食8000円。おすすめの温泉宿  
7、足助温泉  にしき荘         香嵐渓内の1軒宿。休業中で入れず
8、白鷺温泉  白鷺館   800円   ここには以前、連泊したことがある       
                        

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ジャンル : 車・バイク

カソリの島旅(20)大島(青森)

 (『ジパングツーリング』2001年9月号 所収)
 
 大島から気仙沼港に戻ると、「岬めぐり」を開始だ。
 唐桑半島突端の御崎までいく。岬への入口には御崎神社。岬に神社はつきものだ。岬の周辺にはまだ椿の花が咲いていた。

 岬の灯台の先には、黒色粘板岩の岩場が幅30メートル、長さ100メートルにわたったて海に突き出ている。“八艘曳”と呼ばれる岩場で、御崎神社の祭神が、8艘の船でここに上陸したのだという。

 国道45号に出、宮城県から岩手県に入り、陸前高田へ。
 そこから広田半島に入り、半島先端の広田崎に立つ。ウミネコの椿島が目の前だ。それともうひとつ、“黒崎仙峡”と呼ばれるV字の岩の割れ目がすごい黒崎にも立った。

 そして碁石岬へ。岬の展望台に立つと、さきほどの唐桑半島が目の前の海に長々と延びて横たわっている。その右手には広田半島が見える。

 山田湾岸で野宿し、重茂半島に入っていく。ここは日本の秘境。「重茂」で「おもえ」と読む。

 姉吉漁港から本州最東端のトドヶ崎まで歩いていく。その間、4キロ。ここには東北一のノッポ灯台が立っている。岬の岩場は斧でスパーンと割ったように、きれいに2つに割れている。その岩場の上に「本州最東端」の碑。早朝の誰もいない岬を自分一人で独占した。

 宮古から陸中海岸を北上。天気が崩れ、雨が降ってくる。あっというまに激しい雨になる。雨宿りを兼ねて小本温泉(入浴料600円)に入った。湯につかり、食堂で刺し身定食(1000円)の昼食を食べ終わるころには、ありがたいことに雨は上がった。

“海のアルプス”を思わせるすばらしい海岸美の北山崎、北緯40度線上の黒崎と「岬巡り」をし、久慈へ。またまた激しい雨‥‥。

 久慈からさらに国道45号を北へ。
 岩手県から青森県に入り、海沿いの県道1号で八戸に向かう。八戸の町の入口あたりに、今では陸地とつながている“ウミネコの島”、蕪島がある。島には弁財天をまつった蕪島神社。何万羽ものウミネコ鳴き声がすさまじい。

 八戸から下北半島に入っていく。小川原湖の湖畔で野宿し、下北半島突端の尻屋崎に立つ。抜けるような青空に白い灯台がよく映える。ここには「本州最涯地」碑が立っている。

 下北半島の中心、むつ市から大畑に行き、奥薬研温泉に寄り道する。ここでは男女別の「夫婦かっぱの湯」、混浴の「かっぱの湯」、それともう1湯、河原の混浴露天風呂に入った。これら3湯はすべてうれしい無料湯だ。

 大畑に戻ると、「佐藤写真館」の佐藤さん、「工藤自転車店」の工藤さんと、なつかしの再会。そして民宿「松ノ木」に泊まった。

 翌日、早めにしてもらった朝食を食べ、7時、大畑を出発。下風呂温泉では共同浴場「大湯」(入浴料300円)に入り、朝風呂を楽しんだ。

 本州最北端の大間崎に立ち、下北半島をぐるりと一周し、むつ市経由で野辺地へ。そこから国道4号で青森へ。その途中で、夏泊半島に入っていく。

 夏泊半島突端の夏泊崎の先に大島がある。大島には錆びた鉄の橋を渡って入っていった。
 大島を最後に青森へ。夕暮れの青森駅前に到着。全行程2017キロの「東京→青森」だった。

テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

カソリの島旅(19)大島(宮城)

 (『ジパングツーリング』2001年9月号 所収)
 
 気仙沼港に到着したのは12時ジャスト。大島に渡る12時27分発「フェリー大島」の出港時間まですこし時間があったので、フェリーターミナル内の「八東苑」で昼食にした。カニ、エビ、ホタテ、イカ入りの「大漁ラーメン」(1000円)を食べた。

 ちょっとゆっくり食べすぎたので、出港直前のフェリーにスズキSMX50ともども飛び乗ることになった。船旅というのはハラハラドキドキの連続だ。

 大島までは人が300円、SMXが600円。
 乗用車だと5000円前後になるので、大島の人たちは島内で使う車と島外で使う車と、車を2台もっている家が多いという。二重の出費。島での生活の大変さの一端をフェリーで垣間見る。

 大島の浦ノ浜港に上陸すると、海沿いの道を南下。大島最南端の龍舞崎を目指す。
 岬の入口までは4キロ。そこから松林の中の遊歩道を7、8分歩くと岬の突端に出た。岩山がヤセ尾根になって海に落ちている。

 次に、島の最高峰、亀山(235m)に登る。展望台に立つと、浦ノ浜港を眼下に見下ろす。そして島の北端、外浜まで行く。海にはカキやホタテの養殖用イカダが無数、浮かんでいた。

テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

秘湯めぐりの峠越え(46)犬狭峠編(鳥取・岡山)

 (『バイクで越えた1000峠』1995年9月JTB刊 所収)

倉吉から犬狭峠へ
 前回の「人形峠編」を終えたあとは、倉吉からR313で鳥取・岡山県境の犬狭峠に向かった。
 峠下が関金温泉。

 ここでは大きな酒樽に湯の入った大樽露天風呂を名物にしている「ホテルせきがね」(入浴料400円)の湯に入ろうとしたのだが、名物・大樽露天風呂の入口に立ちふさがっている人に、
「今、撮影中なので、入浴はご遠慮下さい」
 と、いわれた。
「フザケルナ、この野郎」
と、ムッときたが、腹だたしい気持ちを抑えて内風呂に入った。

 だが、そのくらいのことで、おとなしく引き下がるようなカソリさんではない。湯から上がると、大樽露天風呂を囲っている垣のすき間から、中をのぞき込んでやった。
「アーッ!」
 と、思わず、息を飲む。

 透き通るような白い肌の美人が、酒樽の湯につかっているではないか。美人の白い肌はほんのりと桜色に染まっている。それがなんともなまめかしい。
 カメラマンは、「あーだ」、「こーだ」とポーズをとらせてパシャリ、パシャリと写真をとっている。カメラマンて、いい商売だねー。

 ところでここには昔、鳥取藩の関所が置かれ“湯の関番所”と呼ばれていた。
 R313のすぐわきには案内板が立っていて、それには次のような、関所にまつわる話が書かれていた。

 通行手形を持たない旅人が、作州(岡山)方面から倉吉に行こうとして、番所にお尻のほうから入った。
「これこれ何れに参る」
「ヘイ、作州でございます」
「どちらから参った」
「ヘイ、伯耆からで‥‥」
「手形は」
「ヘヘッ、どうぞごらんなさいやし」
 と、何か包んだものを差し出した。
「馬鹿者め、天下の番所を手形なしで通行しようとは、不届千万、早々に引き返せ」
「ヘヘッ」
 といって、旅人は倉吉方面に抜けていった‥‥という話だ。

 今の時代でいったら、パスポートなしで、国境を越えるようなもの。通行手形を持たない旅人が、知恵を働かせて関所をうまく通り抜けていくのは笑える話だが、関所の役人の人情味もこもっていて、なんともいい話ではないか。

 関金温泉からは、犬狭峠を登っていく。上蒜山、中蒜山、下蒜山とつづく蒜山の山々が目の前。その蒜山の東側を越える峠が犬狭峠だ。

 標高514メートルの鳥取・岡山県境の犬狭峠に到着。この街道を鳥取側の人たちは美作につうじているので、作州街道と呼び、岡山側の人たちは、伯耆に通じているので、伯州街道と呼んでいる。犬狭の峠名の由来だが、その名のとおり、犬が通り抜けるのも困難なほどの峠道だったからだといわれている。昔の峠越えの大変さが目に浮かぶようだ。

美作の温泉めぐり
 犬狭峠を下った美作側では、温泉めぐりをした。第1湯目は津黒高原温泉で、国民宿舎「津黒高原山荘」(入浴料250円)の湯に入った。
 第2湯目は“美作三湯”のひとつ、湯原温泉。
 温泉街の一番奥、旭川の河原に大露天風呂がある。無料&混浴の露天風呂。目の前には、旭川をせき止めた湯原ダムがそそり立っている。

“水着の着用は、ご遠慮下さい”と、注意書きがしてあるが、水着姿の若い女性が2人、「温泉って、いいわねー」などといいながら、うれしそうに入っている。湯原温泉の、この無料&混浴の露天風呂は、西日本では最大だ。

 第4湯目は足温泉。戦国時代、高田(勝山)城の守将、佐伯辰重が戦いで傷ついた将兵たちを治すために、樽に入れてこの温泉に送りこんだので、樽温泉といわれるようになったという。足温泉の名はそこからきている。公衆温泉浴場(入浴料130円)の湯に入ったが、けっこうな人気で、次々と入浴客がやってきた。

 第5湯目は真賀温泉。公衆温泉浴場(入浴料250円)の湯に入ったあと、R313に面した温泉旅館「もりや」に泊まった。宿の奥さんはきれいなひとだったし、夕食は手のこんだ料理だったし、うれしくなるような温泉宿だった。

 翌日はザーザー降りの雨。中国道の落合ICに向かって走ったが、神庭の集落で国道を右折し、「日本の滝100選」にも選ばれている神庭滝に寄り道する。「日本一の名瀑」と書かれた看板にひかれたのだ。滝を見るのに300円とられるが、これが一見の価値のある滝だった。高さ110メートルの神庭滝は、大雨で川が増水していたこともあって、ものすごい迫力で流れ落ちてくる。

 こうして美作の温泉めぐりを終えると、勝山、久世と旭川沿いの町々を通り、落合ICで中国道に入った。
 東京を目指し、中国道→名神→東名と、ひたすらに雨中の高速道を走るのだった。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

カソリの林道紀行(22)中部編(その13)

 (『バックオフ』2006年4月号 所収)
大鍋林道


東伊豆から西伊豆へ
 かつては日本有数の「林道天国」だった伊豆半島も、ほとんど全線が閉鎖され、通行禁止状態だ。その中にあって大鍋林道は唯一、以前と変わらずに走れる。東伊豆と西伊豆を結ぶ県道115号の一部に組み込まれているからだろう。

 大鍋林道で越える峠が大鍋越。東伊豆の河津町と西伊豆の松崎町の境の峠。東伊豆から峠を越えて西伊豆へ、これは最高におもしろい伊豆半島のツーリングコースだ。

 伊豆は半島の国。半島全体が山がちで、山々はそのまま海に落ち、風光明媚な海岸線をつくり出している。「山と海」、それが伊豆半島!

 伊豆半島の玄関口、熱海からスズキDR-Z400Sを走らせ国道135号を南下。大鍋林道で大鍋越を越えるだけでなく、東伊豆、西伊豆、南伊豆の海岸線もたっぷりと楽しもうというのが今回のツーリングプランだ。

 まずは宇佐美の海岸沿いにある「ふしみ食堂」で朝食。ここは朝早くからやっているので、ぼくの伊豆半島ツーリングには欠かせない店。うまいアジの干物で腹いっぱいに飯を食べ、パワーをつけ、寒風を切り裂いて走る。朝食をしっかり食べるというのはカソリのツーリング術の基本だ。

 赤沢温泉では無料湯の混浴露天風呂に入った。湯につかりながら目の前の海を眺め、水平線上に浮かぶ伊豆大島から神津島へとつづく伊豆七島の島々を眺める。「島と海」を眺めながらつかる温泉なんて…、もう最高だ。

 今回は無料湯だけに限って東伊豆の赤沢温泉と河津浜温泉、西伊豆の雲見温泉の露天風呂に入ったが、3湯とも海を目の前にする「絶景湯」。無料湯の温泉には必ず入るというのもカソリのツーリング術の基本でなのある。

 東伊豆町の中心、稲取では国道を離れ、小半島にある稲取の町中へ。
 名産の金目鯛の水揚げ港で知られる稲取漁港から温泉街を走り、小半島突端の稲取岬へ。岬の展望台からはキラキラと光り輝く東伊豆の海の向こうに伊豆七島の島々を見た。南伊豆の海岸線をも一望。その先端の爪木崎がよく見えた。目を山側に向けると天城連峰の最高峰、万三郎岳(1406m)が見えた。
 山々が海岸のすぐ近くまで迫っているのがよくわかる稲取岬の風景だ。

 河津浜温泉の海岸の露天風呂に入ったあと、河津川沿いに走る。早咲きの河津桜がちらほら咲き始めていた。国道414号に合流し、湯ヶ野温泉から県道115号で大鍋へ。大鍋の集落を走り抜け、熱海から74キロ地点で大鍋林道のダートに入っていく。

 大鍋越に向かって一気に高度を上げる。
 かなり奥まで林道沿いには段々になったワサビ田が見られる。この大鍋林道の河津町側のダート区間は、若干、舗装路が延びているだけで、峠までは以前とほとんど変わりがない。

 東伊豆の河津町と西伊豆の松崎町境の大鍋越に到達するとDR-Z400Sを停め、峠の草原で昼食。デイパックの中から稲取名物の「げんなりずし」を取り出して食べた。
 峠で食べると、ひときわおいしく感じられるものだ。

 大鍋越から松崎町側を下るとすぐに簡易舗装になる。大鍋林道のダート区間は6・5キロ。舗装区間に入るとすぐにカンス林道との分岐点。林道入口には鉄パイプを組んだ頑丈なゲート。伊豆半島の現状を象徴する光景だ。

 以前は、大鍋林道からカンス林道経由で長久郎林道を走り諸坪峠へ、というルートは伊豆半島のダートのゴールデンルートだった。
 諸坪峠からは白川林道で西伊豆へ、荻ノ入林道で東伊豆に出られた。それも今ではもう遠い昔のような話…。

 西伊豆の海岸に出ると雲見温泉の露天風呂に入り、国道136号を南下。
「野猿の岬」で知られる波勝崎と「伊豆半島最南端の岬」の石廊崎に立ち寄り下田へ。

 南伊豆のすばらしい夕日を眺めたあと、下田の食堂「魚河岸」で金目三昧の夕食を堪能し、国道135号で熱海に戻った。
「山国と海国」、伊豆の2つの顔を見た大鍋越だった。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

カソリの林道紀行(21)(中部編(その12)

 (『バックオフ』2005年10月号 所収)
川上牧丘林道


 1本の「峠越え林道」にトコトン、こだわって走ってみたいと思った。「峠越え」のおもしろさと、「林道走行」のおもしろさを同時に楽しめるのが「峠越え林道」なのだ。

 まっさきに目をつけたのは甲信国境(山梨・長野県境)の大弛峠を越える川上牧丘林道。標高2360mの大弛峠は車道の峠としては日本最高所の峠だ。舗装化の進んだ川上牧丘林道だが、信州側にはダート区間が残っている。

甲信国境の大弛峠越えて
 中央高速の勝沼ICが今回の旅の出発点。勝沼、塩山、牧丘と峡東(甲府盆地の東部)をめぐった。胸にしみる甲州の町々。勝沼では日本のブドウ栽培発祥地の大善寺、塩山では武田信玄の菩提寺の恵林寺を参拝。牧丘からは国道140号で「信玄の隠し湯」に入りがてら、甲武国境(山梨・埼玉県境)の雁坂峠まで足を延ばした。

 いよいよ川上牧丘林道だ。
 雁坂峠から牧丘に戻ると、
「さー、行くゾ!」
 とスズキDR-Z400Sにひと声かけ、川上牧丘林道に向かっていく。

 甲府盆地から一気に山中に入り、まずは焼山峠を越え、牧場のある柳平から待望の川上牧丘林道に入っていく。柳平では大規模なダムが建設中だ。
 かつては「峰越林道」で知られたハードなダートコースの川上牧丘林道だが、今では甲州側は大弛峠までの全線が舗装化されている。
 とはいっても、林道をとりまく風景はまったく変わらない。

 鶏冠山林道(通行禁止)との分岐を過ぎると、大弛峠に向かってグングンと高度を上げ、奥秩父連峰の主脈の山々が見えてくる。名峰、金峰山も目の前に見えてくる。峠に近づくと、ガクンと気温が下がり、コメツガなど針葉樹が多くなってくる。

 柳平から15キロ走ったところで、車道の峠としては日本最高所、甲信国境の大弛峠に到達。甲府盆地はむせ返るような暑さだったが、標高2360mの大弛峠はヒンヤリした風が吹き抜けていた。下界とはまったく気温が違う。というより季節が違う。峠はすでに秋だった。

 大弛峠の駐車場は登山者の車で埋めつくされていた。峠には山小屋もあって、奥秩父連峰登山の絶好の拠点になっている。国師ヶ岳経由で奥秩父連峰の最高峰、北奥千丈岳(2601m)まで40分ほどで登れるのだ。

 大弛峠からの長野県側の下りは、かなりラフな路面のダート。前方に連なる信州の山並みを眺めながら下っていく。9・0キロのダートを走りきるとそこは一面の高原野菜畑。川上高原を走り抜け、千曲川の川辺へと下った。

 川上村からは信州峠を越えて再度、甲州に入り、中央高速の須玉ICへ。そこが今回の旅のゴールだった。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

カソリの林道紀行(20)中部編(その11)

 (『バックオフ』2001年12月号 所収)
信州林道ツーリング


「信州・林道まつり」の会場となった「大芝高原オートキャンプ場」に、ブルダスト瀬戸がピカピカのニューDR400の「DR-Z400S」を持ってきてくれた。
 このニューDR400で、1日かけて存分に信州の林道を走ろうという、なんともうれしい話なのだ。
 久しぶりの「艱難辛苦組」カソリ&ブルダスト瀬戸コンビの林道ツーリング。おまけに最高の林道ツーリング日和で、抜けるような青空には雲ひとつない。高原を渡る風は秋そのものといったさわやかさだ。

 さっそくニューDR400のエンジンをかける。軽快なエンジン音に身も心も踊る。
 この瞬間がたまらない。マシンにまたがり、アクセルを軽く吹かしてみる。
 4サイクル単気筒400㏄エンジンのDR-Z400Sだが、エンジン音にはどことなく2サイクルを思わせるようなところがあり、ぼくの遊び心はおおいにくすぐられる。

 DR-Z400Sにまたがったときのスリム感には驚かされてしまう。無駄なものすべてを削ぎ落としたといった感のあるこのスリム感こそDR-Z400Sの命なのだ。
 シート高は895ミリと見かけよりも高い。そのため身長170センチのぼくは爪先立ちしたときにバランスを崩し、ブルダスト瀬戸の目の前でなんと立ちゴケしてしまった。それも連続して‥。まあ、愛嬌ということで、瀬戸さん、許して下さい。

 さあー、いよいよ出発だ。
 ぼくが先を走り、そのあとをブルダスト瀬戸がフォローするといういつものパターン。瀬戸さんの乗るバイクはカソリのDJEBEL250GPSで、すでに走行距離は9万キロを超えている。
 中央高速の伊那ICに近い「大芝高原オートキャンプ場」から伊那の中心街に入り、天竜川を渡り、城下町の高遠へ。

 そこから待望の信州の林道群に入っていく。
 第1本目は国道152号で杖突峠に向かっていく途中から入っていく高嶺林道だ。信州の林道の大半は走破したと豪語しているカソリだが、う~ん、知らなかったなあ‥、こういういい林道があったとは。

 道幅は狭く、入笠山に向かってけっこう急勾配のな上りがつづく林道。小刻みなコーナーが連続し、それらひとつづつのコーナーはタイトなもの。路面も適当に荒れていてじつにおもしろく走れる。

 このような林道こそまさにDR-Z400Rのフィールドだ。
 パワーがあるので129キロという車重をまったく感じさせない軽快感で自由自在に林道を駆け抜けていく。深いワダチも怖くない。なにしろ軽いので、簡単に避けて走っていけるのだ。
 400㏄のオフロードバイクというと、ズッシリ重い重量感をイメージしてしまうが、DR-Z400Sの軽さというのは250㏄クラスを思わせるものがある。

 樹林の中の曲がりくねった道を走り抜けると、稜線上の開けた所に出る。南アルプスの山並みを眺めながら走る。高嶺林道はまさに“絶景林道”だ。

 さらにダートから舗装路に出たところからの眺めがすごかった。北アルプスの3000m級の穂高連峰の峰々をも一望する。その北の3000m峰、槍ヶ岳もよく見える。

 入笠山周辺では、カラマツ林の中の2本目のダートを走り、入笠山登山口近くの茶屋で昼食。
 今回は残念ながら時間がなくて登れなかったが、この入笠山(1955m)はおすすめだ。簡単に登れるし、山頂からは北アルプス、中央アルプス、南アルプスと「日本の屋根」を一望できる。

 昼食後、信州・林道ツーリングの後半戦開始。
 まずは牧場のゲートを自分で開け、そして自分で閉めて、第3本目の林道の黒河内林道に入っていく。コーナーもゆるく、路面も整備された渓流沿いのダートコース。パワーのあるDR-Z400Sなので、ストレート区間の長いところでは、ついついアクセルを開け気味になる。さすがに400、加速感が違うのだ。

 黒河内林道の15キロほどのダートを走り抜けると舗装路になり、「仙流荘」の前を通って国道152号に出た。
 そこから三峰川を渡って4本目の女沢林道に入っていく。女沢峠を越える“峠越え林道”だ。

 この女沢林道は三峰川側から入っていくと、道を間違えやすい。最初の分岐は左、次の分岐は右なのだが、ぼくたちはそこを左に行ってしまった。それはかなりつづく行き止まり林道だったが、稜線上に出ると、中央アルプスの最高峰、木曽駒ヶ岳(2958m)を真正面に眺めた。

 間違えた分岐まで戻り、女沢峠に向かって登っていく。道幅が狭くなる。交通量も少なく、2本の轍の間には草がはえている。そして長谷村と駒ヶ根市の境の女沢峠を越える。峠からの見晴らしがあまりよくないのがちょっと残念だ。

 女沢峠を越えて駒ヶ根市側に入ると新山林道になる。峠を下ったところで舗装路との分岐。そこを右へ、もうひとつの峠、新山峠を越えて高遠に戻った。
 女沢峠、新山峠と、ともにぼくにとっては初めての峠なので、よけいにうれしい峠越えになった。

 高遠からは時間との勝負で国道361号の権兵衛峠を目指した。
 伊那の中心街から道幅の狭い峠道に入り、一気に峠へ。際限なく上り勾配のカーブが連続するが、それをものともせずにDR-Z400Sはまるで牛若丸のように、ヒラリヒラリとコーナーをひとつづつクリアーしていく。

 そのおかげで、間に合った! ブルダスト瀬戸と「やったね!」と感動の握手をかわした。
 権兵衛峠の展望台に立つと、夕日を浴びた南アルプスの連山を一望できた。雲ひとつない夕空を背にした南アルプスの山々の眺めは神々しいばかりの眺め。
 最後の最後まで「林道ツーリング日和」の一日だった。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

カソリの林道紀行(19)中部編(その10)

 (『バックオフ』1999年3月号 所収)
「伊豆30キロ圏ツーリング」


 限られたエリア内をたんねんに見てまわるツーリングはおもしろい。旅に深みが出るし、今までに何度も行ったところでも、新たな発見がある。
 それが“30キロ圏ツーリング”。拠点となるポイントから30キロ圏エリアに絞って走りまわるのだ。
 今回の舞台は冬の伊豆。

トラブル、発生!
 伊豆の湯ヶ島温泉に「バックオフ」編集部染谷さんイチオシの「白壁荘」という温泉宿がある。そこに集合。今回は「白壁荘」を拠点にしての伊豆30キロ圏ツーリングだ。
「白壁荘」に集合したのはBO編集部の染谷さんとキース宮崎、若き女性部員の阿部ちゃん、それと前号の浜松30キロ圏ツーリングを走ったカソリ&デカビタン高杉のコンビである。

 さて出発という段になって、四駆のチェロキーに乗ってやってきたカメラマンの染谷さんの様子がおかしい。ぐったりしている。額に手を当ててみると、燃えるような熱さ。すぐさま湯ヶ島の病院に行くと、なんと40度の高熱だ。染谷さんはものすごい根性マンなのだが、40度の熱を押して一人、チェロキーで東京に戻っていった。
 そこで急遽、デカビタン高杉が代役を努めることになった。
 カメラマン・デビューになったのだ。

初めての林道ツーリング
 さて、今度はほんとうの出発。我々の相棒はといえば、カソリがブロンコ、それにストリート系のファッションで乗る。阿部ちゃんのマシンは、今回は来ることのできなかったBO編集部荒木クン所有のTW200荒木号で、林道初体験の阿部ちゃんの後見人のキース宮崎はレースでも使っているRMXだ。

 天気は快晴。ぼくが先頭を走り、次に阿部ちゃん、その後にキース宮崎がつづく。
 わずか2ヵ月前に中型2輪の免許を取ったばかりの阿部ちゃんを「何としても護るんだ」と、キース宮崎はいつになく緊張している。

 湯ケ島温泉からR414を南下し、天城峠の旧道に入っていく。
 路面の締まった走りやすいダートで、林道初心者の阿部ちゃんには絶好の初級篇ルートといえる。彼女の姿をぼくはバックミラーで見ながら走ったが、林道が初めてとは思えないほどの安定した乗り方だ。

 峠のトンネルの入口までたどり着いたときは、
「阿部ちゃん、よくやったね」
 と、ねぎらいの声をかけてあげた。
 彼女は初めて林道を走る不安で、前の晩はほとんど寝られなかったのだが、ダート5キロの天城峠旧道を無事に走りきったことによって自信を持った。

 天城峠下の大滝温泉からは、林道中級篇といっていい荻ノ入林道に入っていく。ぼくにとっては今までに何度も走っている林道で、いわば走り慣れた林道になるのだが、阿部ちゃんと一緒に走ったことによって新たな発見をした。

 ここは思っていた以上にラフなコースだ。
 自分一人だとあっというまに駆け抜けてしまうが、阿部ちゃんをケアしながらだと石ころのゴロゴロした荒れた路面、露出した岩盤、連続するタイトなコーナー、峠への登りの勾配のきつさがじつによくわかった。

 阿部ちゃんはよくやった。
 TWの極太タイヤのおかげもあったかもしれないが、藷坪峠までのダート6キロの荻ノ入林道を一度きりの転倒だけで走りきった。藷坪峠からはダート5キロの白川林道を下ったが転倒ゼロ。恐らく彼女にとって荻ノ入林道と白川林道は一生、忘れられない林道になることだろう。

 白川林道を走り抜けたところで、またまたトラブル発生。今度はカメラマンのデカビタン高杉の乗る四輪のBO号がオイル漏れでダウン。キース宮崎をその場に残し、デカビタン高杉がTW200荒木号に乗り、ぼくは阿部ちゃんとのタンデムで西伊豆の堂ヶ島海岸まで行った。後見人のキース宮崎がいなくなったのをいいことに、阿部ちゃんとはラブラブ気分で遊覧船に乗り、海に落ちる夕日を眺めた。

 湯ヶ島温泉の「白壁荘」を目指し、夜の仁科峠をタンデムで越える。
 背中で阿部ちゃんの胸のふくらみと体の暖かさを感じながら峠道を走ったので、強烈な寒さもまったく気にならない。我が“峠越え史”に残る峠越えとなった。

至福の時
 BO号の修理に奔走するキース宮崎とデカビタン高杉を西伊豆に残し、ぼくと阿部ちゃんはタンデムで湯ヶ島温泉の「白壁荘」に戻ってきたのだが、日本の古きよき時代を感じさせる温泉宿で輝くような若さの阿部ちゃんと過ごした時間は、まさに至福の時だった。

 こんこんと湯の湧き出る湯量豊富な大浴場の湯につかり、今日一日の疲れをとったところで、部屋で阿部ちゃんにつがれるままに冷たいビールをキューッと飲む。
 うまい!
 湯上がりの浴衣姿の阿部ちゃんは、林道を走っているときとは違って、なんとも女っぽい。

「キース宮崎もデカビタン高杉も、当分、戻ってこないだろうから、先に食事にしよう」 と、阿部ちゃんと向かい合って「白壁荘」自慢の夕食を食べる。なんだか新婚旅行で伊豆の温泉宿にやってきたような気分なのだ。

 ところがキース宮崎とデカビタン高杉が思ったよりも早く戻ってきたので、2人きりの夢の世界からいっぺんに現実の世界に引き戻されてしまった。残念無念‥‥。
 そのあとは阿部ちゃんの林道初体験の話で盛り上がり、温泉宿での楽しい話は夜中までつづいた。

 翌朝は目をさますとすぐに大浴場の湯に入り、さらに巨石風呂と巨木風呂の2つの露天風呂にも入った。特筆ものの朝食のあとは、「白壁荘」の館内を心ゆくまで見てまわった。調度品の数々がすばらしい。
 日本庭園は阿部ちゃんと腕を組んで散歩した。
 おー、忘れえぬ「白壁荘」よ!

伊豆半島の名瀑&岬めぐり
 湯ヶ島温泉の「白壁荘」は、伊豆30キロ圏ツーリングの絶好の拠点といえる。
 ここを中心に30キロ圏の円を描いてみると、南は伊豆半島南端の石廊崎、北は旧伊豆国の中心、三島あたりで、その円内に伊豆半島全域がすっぽりと入る。国士峠を越えれば東伊豆に出られるし、仁科峠を越えれば西伊豆に出られるし、天城峠を越えれば南伊豆に出られる。

 さらに我ら林道派ライダーにとってうれしいのは、伊豆半島の主だった林道の大半がこの近辺に集中していることだ。林道を縫って伊豆半島を走ると、いつも走り慣れている伊豆とはまた違う顔を見ることもできる。

 前日は舗装路の県道59号で仁科峠を越えて湯ヶ島温泉に下ったが、これをダート13キロの滝見林道経由で仁科峠へ、さらにダート13キロの猫越林道経由で湯ヶ島温泉に下ってくることもできる。
 ということで、伊豆30キロ圏ツーリングの第2日目は、ゆったり気分で「白壁荘」を出発し、下田から伊豆半島南端の石廊崎を目指した。最後はまた仁科峠を越えてこの湯ヶ島温泉に戻ってくるのだ。

 第2日目も雲ひとつない快晴。
“晴れ男カソリ”の成せる技ということにしておこう。
 冬の伊豆の空の青さが目にしみる。

 前日と同じように湯ヶ島温泉からR414を南へ。天城峠下の浄蓮ノ滝に行く。バイクを停めた駐車場から滝までの遊歩道歩きがいい。浄蓮ノ滝は高さ70m、幅7mの水量豊かな大滝で、伊豆第一の名瀑だ。“日本の滝100選”にも選ばれている。“滝めぐりのカソリ”、この“日本の滝100選”だけは全部見てまわろうと思っている。

 天城峠を越え、南伊豆に入ったところで河津七滝に立ち寄った。
 ここでは滝を“たる”と読むが、なぜ滝が“たる”なのかは諸説があって定かでない。
 ここでも駐車場にバイクを停め、遊歩道を歩き、七滝のうち蛇滝(へびだる)と初景滝(しょげだる)の2つの滝を見た。そのうち「伊豆の踊り子」像の立つ初景滝の眺めが印象深い。なお、この河津七滝めぐりは全長2キロのコースで、七滝全部を見てまわると2時間ぐらいかかるが、ぜひとも歩いてみたらいいおすすめのコースだ。

 南伊豆の中心地、下田に出た。
 ここは日本の夜明けの地。開国の歴史の舞台を見てまわったあと、南伊豆の岬めぐりを開始する。ぼくは“滝めぐりのカソリ”であるのと同時に“岬めぐりのカソリ”でもある。今までに日本の最東西南北端の岬など200を越える岬に立っているが、これからも、ひとつでも多くの岬に立とうと思っている。

 まず最初に行ったのは、下田に近い須崎半島突端の爪木崎だ。ここは野水仙の群生地として知られているが、ちょうど花の季節で、岬の斜面は水仙の花で埋めつくされていた。海が青い。それを見て阿部ちゃんは「沖縄の海みたい!」と言った。彼女の言葉どおり、南伊豆の海は冬とは思えないほどの明るさに満ちていた。岬突端の灯台まで歩き、断崖上から南伊豆の海を見渡した。

 次に伊豆半島最南端の石廊崎に行く。駐車場にバイクを停め、岬の突端まで歩く。さきほどの爪木崎といい、この石廊崎といい、岬めぐりのよさは、バイクの旅の中に、心地よい歩きの旅を織りまぜられるところにある。黒潮洗う岬の突端に立ち、水平線上に霞む伊豆七島の島々を眺める。左から大島、利島、新島、式根島と見えた。

 石廊崎から西伊豆へ。水平線に夕日が落ちていく。前日と同じように仁科峠を越える。 夜の峠に立つと、足元には西伊豆の海岸線の町明かりが見える。暗い海の向こうには、まばゆばかりの清水から静岡、焼津とつづく町明かりが見える。心に残る峠からの夜景だ。

 湯ヶ島温泉に戻ると、共同浴場の「河鹿の湯」に入り、食堂で夕食にした。食事を終えたところで、阿部ちゃんの編集部内でのリングネームをつける。阿部ちゃんは我ら男どもをおおいにハッピーな気分にさせてくれたので、阿部ちゃんの名前のあづさをとって“ハッピーあづさ”とした。
“ハッピーあづさ”の誕生をもって今回の伊豆の旅を終えた。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

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