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「青春18きっぷ2010」(23)

第3日目(函館→旭川・その8)

 手宮の「小樽市総合博物館」の見学を終えると、カブタン旦那の車で小樽市内を走り、「庄坊番屋」という店へ。ここでカブタン夫妻と急きょ、忘年会をすることになった。

 カブタン旦那には申し訳ないがウーロン茶で我慢してもらい、カブタン&カソリは生ビールで「乾杯!」を繰り返す。
 この店ではカブタンが小樽ならではのもの、北海道ならではのものを頼んでくれた。

「カソリさん、タチは食べたことある?」
「ありますよ。でも関東ではあんまり食べないんですよね。関西人は好きだけど。韓国の釜山の食堂でも食べましたよ」
「違うよ、それって」
「え、あの細長い、平べったい魚のタチでしょ?」
「カソリさん、それはタチウオでしょ」
「じゃ、食べてみようね」

 ということで真っ先に「タチ」を頼んでくれた。タチをポン酢で食べる「タチポン」だ。これが北海道の秋から冬にかけての一番の味覚だという。

 タチはマダラの白子。プリプリしたタチは真っ白な色をしている。鍋に入れれば「タチ鍋」になるし、天ぷらにもするし、味噌汁にも入れるという。タチの入った蒲鉾の「タチカマ」もあるという。北海道人はタチが大好きなのだ。
 そんなタチを頼んでくれたカブタンの心づかいに感謝、感謝。

 次は「八角」だ。
 八角はトクビレというそうだが、顔の形が八角をしているので「八角」といっている。ちょっと骨ばった魚だが、その焼き魚は味がいい。八角は以前にも食べたことがあるが、やはり北海道で。北海道以外で食べたことはない(多分)。

 次は「ニシン」だ。
 焼き魚を食べたのだが、ニシンを食べながら、カブタンとは「北海道遺産」の話で盛上がった。というのは北海道の日本海側はニシン漁で空前の繁栄を謳歌し、その名残が北海道遺産に指定されている。我が北海道遺産の師、カブタン先生のニシン漁の話を興味深く聞かせてもらった。これがまたいいんだな。

 最後は小樽ならではの「すしの盛合わせ」。小樽はいまや「すしの町」。小樽寿司屋通りがあるほどで、すしを食べにわざわざ小樽までやって来る人も多いという。

 こうして北海の味覚を存分に味わったところで小樽駅まで送ってもらった。
 ぼくはこの先、札幌まで行き、札幌発19時38分の列車で滝川へ、そこで乗り換えて旭川に向かっていくことになっている。カブタンもいつもの特急ではなく、鈍行につき合ってくれるという。
「よーし、今度は車内宴会だ!」
 小樽の駅前でカブタン夫妻と別れたが、カブタンとは札幌駅での待ち合わせだ。

 カブタン夫妻に初めて会ったのは「300日3000湯」の「温泉めぐり日本一周」のとき。2007年9月1日、60歳の誕生日、その日に青森から函館に渡り、反時計回りでの「北海道一周」を開始した。

 函館本線でも通った鹿部温泉でお2人に会ったのだ。
 カブタン夫妻は「(ここでなら)きっとカソリさんを捕まえられるだろう」と札幌から車を飛ばして来てくれた。カブタン夫妻には何と「カソリさん 祝60才♪」のバースデーケーキをいただいた。北海道人なら誰でも知っている「わかさいも本舗」のケーキで、上にのったチョコレートに「カソリさん 祝60才♪」が描かれていた。60歳分のローソクを吹き消したあと、お2人と一緒に食べたバースデーケーキは超美味。それよりもなによりもバースデーケーキをプレゼントしてもらったことなどほとんどないカソリ、もう大感激だ。

 それともうひとつ、大きなバースデーケーキ効果があった。
 60の誕生日を迎え、
「なんで自分がもう還暦なの…」
 とかなり落ち込んでいた。

 だがお2人に会い、一緒に海岸でバースデーケーキを食べたことによって、落ち込んだ気分は一気に吹っ飛んだ。
 気分はすっかり前向きになった。
「還暦っていったら、年が元に戻ることではないか。自分が戻るのはアフリカに旅立った20歳の、あのときしかない。自分は20歳に戻ったんだ」
 自分勝手な還暦の解釈をしたとたんに気分は明るくなった。

 その「300日3000湯」の「北海道一周」では積丹半島の盃温泉の国民宿舎「もいわ荘」でも一緒に泊った。夕食では何本ものビールを空けた。食堂での夕食を終えると、今度はカブタン夫妻の部屋に舞台を移しての飲み会になった。

 そこでは、お2人が車に積み込んで持ってきた北海道の地酒をいただいた。
 何種もの地酒。1升びんをあけ、5合びんをあけ…で、まずはカブタン旦那がダウン。そんなカブタン旦那を尻目に平然と飲みつづけるカブタン。強い。ほんとうに強い!

 カブタンとの飲み比べを口ばしってしまったカソリ、途中で「しまった!」と思ったときはもうすでに時遅し。足腰がたたないくらいに酔ってしまった。

 翌日の二日酔いの辛さといったらなかった…。
 2008年の「60代日本一周」のときには、お2人は苫小牧まで来てくれた。雪がちらつくなか、一緒にの鵡川まで走り、道の駅「むかわ四季の館」で別れた。

 2009年の北海道遺産めぐりの「北海道一周」では、石狩・北見国境の石北峠で出会った。お2人と一緒に峠の店で食べた「石北ラーメン」の味は忘れられない。石北峠から旭川までは一緒に走った。

 2010年の「林道日本一周」では旭川の旭橋で再会を果たした。
 小樽駅でカブタン夫妻と別れたあとは、そんなお2人との思い出がまるで走馬灯のようにクルクルまわってまぶたに浮かんでくるのだった。

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カブタン旦那の車で小樽市内を走る

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カブタン夫妻との忘年会の会場に到着

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これがタチポン

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八角

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ニシン

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小樽のすしだ!

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

優勝! カソリ、ザッケローニ采配を語る。

(カソリ)

日本、やりましたねえ!
ほんとうによくやった!
延長後半の長友からの左クロス、それを李が、李がよくぞ決めてくれました。
フリーだったとはいえ、あのボレーは難しいですよ。

それにしても今日の勝利はザッケローニ采配の勝利、といってもいいですよね。
後半の藤本を外して岩政を投入したのが、大きな転換点になったと思いますよ。
あれでゲームの流れが変った。
長友も一気に前線に駆け上ることができるようになった。

そしてきわめつけは前田を李に変えたこと。
早々に李が結果を出してくれました。

川島の今日は見違えるようで、再三の超ピンチを救ってくれました。
まさに日本の守護神でした。
本田の大会MVP、おめでとう!
ザック・JAPANの優勝、おめでとう!!!

この優勝はこれから先、大きな意味を持つと思います。
それにしてもあのゴールドの吹雪、カタールの夜空を染めた花火の連発はすごかったですね。
カタール、やるではないですか。
もう興奮しちゃって…。
4時を過ぎたのに、まだ勝利の余韻にひたっています。

===
(管理人)

確か2時半ころだったと思いますが、それまで(家人を起こさないよう)シーンと静かに見ていたのに(心臓はバクバク)、李のボレーでは大声で叫んで近所迷惑w
すぐに「お前はジダンかよ!!」と思いましたが、2ちゃんなんかを見ていてもみんなそうだったみたい。
いやあ、クロスといい、どフリーのシチュエーションといい、全世界でこれから何百万回も再生される動画になりそうだ。
その直前の、しつこく左を突いた展開が、遠藤の縦パス⇒長友のクロス、への伏線になりました。
あのシーンの3分くらい前からもう一回、見たいな。

後半アタマの交代、チームを完全に立て直しましたね。
セルジオは中継で「(長友を上げて今野が左DFなんて)これまでやったことがないのに…」と当初批判的でしたが、そのうち手のひら返しになってたのがおかしかった。
岩政、吉田、それにもちろん川島も本当によく守りました。
(岩政は川島に感謝しないと…2回くらい、戦犯になりかねないチャンスを救ってもらったかと記憶するが)

なんかいろいろ、素直に感動しちゃった決勝戦でした。

いやぁ、今夜は日本全国で祝勝会だ~~~~!!!!

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

「青春18きっぷ2010」(22)

第3日目(函館→旭川・その7)

 15時29分、小樽に到着。ここでは次の列車まで3時間近くある。
 改札口を出ると、何ともうれしいことにカブタンとカブタン旦那が出迎えてくれていた。カブタンとは熱い抱擁をかわしたいところだが、カブタン旦那の目の前ではそれもかなわず、お2人とはガッチリ握手して再会を喜びあった。

 カブタンは素敵な女性で行動的。函館の項で「北海道遺産」のおもしろさにふれたが、それはすべてカブタンから教えられたもの。カブタン旦那は大陸人の風貌を持っている人で、やさしくておおらか。何ともいい夫婦なのである。

 カブタンの勤務地は旭川、カブタン旦那の勤務地は札幌。離れ離れに住んでいるお2人だが、今日は日曜日ということもあって、カブタンが札幌まで行き、カブタン旦那の車で小樽まで来てくれた。ほんとうに感謝感激。

 小樽ではどうしても手宮にある「小樽市総合博物館」に行きたかった。そこにあるという北海道の鉄道起点碑の「ゼロ哩碑」を見たかったのだ。

 カブタン旦那が運転する車に乗り込むと、お2人はまず手宮線の廃線跡につれていってくれた。
「おー、残っているんだ」
 次に小樽運河に出、小樽運河公園の前を通り、手宮の「小樽市総合博物館」に到着。ここは旧小樽交通記念館。鉄道好きにはたまらない博物館だ。

 入口には列車レストランがあり、アメリカ人の鉄道技師、ジョセフ・U・クロフォードの像が建っている。
 このジョセフ・U・クロフォードが北海道初の鉄道、幌内鉄道(後の手宮線)建設の大きな力になった。当時の北海道開拓使(長官は黒田清隆)は積極的に外国人を登用し、「追いつけ追い越せ」で、文明開化を強力に推し進めていった。

 幌内鉄道は明治13年1月に建設工事が始まり、その年の11月には札幌までが完成している。幌内炭鉱のある幌内(現三笠市)までの全線が完成したのは明治15年11月。日本では「新橋-横浜」、「大阪-神戸」に次いで3番目に誕生した鉄道になる。全長91・2キロ。「手宮-幌内」間には開運町、銭函、札幌、江別、幌内太の停車駅があった。

 幌内鉄道の第1号機関車が「義経号」、第2号機関車が「弁慶号」で、「小樽市総合博物館」には第6号機関車の「しづか号」が展示されている。

 館内の見学はあとまわしにして、博物館の裏手にある北海道の鉄道の起点となる「ゼロ哩碑」(北海道鉄道開通起点碑)を見る。
「間に合った!」
 あっというまに日の暮れるこの季節なだけに、こうして明るいうちに見ることができてもう感無量。北海道の鉄道はここから始まった。

 次に、鉄道記念物にも指定されているレンガ造りの機関車庫、転車台と見てまわる。
 そのあとで館内を見学した。

 何といってもすごいのは「しづかホール」に展示されている「しづか号」。迫力満点。アメリカの西部劇を連想させるダイナミックさを持った機関車だ。その後には一等客車の「い1号」が連結されている。
「しづか号」と「い1号」はともに鉄道記念物に指定されている。

 そのほか国産の蒸気機関車としては2番目になる「大勝号」も展示されているが、やはりこれも鉄道記念物に指定されている。「大勝号」は手宮工場でつくられた。北海道開拓のシンボルマーク、赤い星のヘッドマークがつけられている。

 館内で目を引くのは手宮港の模型だ。石炭を積んできた貨車から直接、船に積み込む様子がよくわかる。幌内鉄道の試運転の模型では、日米両国の国旗をつけた「弁慶号」が2両の客車を引いて木橋を通過していくシーンが再現されている。石置屋根の家々からは多くの人たちが出て、列車を見上げたり、手を振ったり、「万歳!」をしている。何とも印象に残る幌内鉄道の試運転の模型だ。

 カブタンとカブタン旦那のおかげで明るいうちに「ゼロ哩碑」を見ることができたし、こうして北海道一の鉄道博物館、「小樽市総合博物館」も見ることができた。

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小樽市内の手宮線跡

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小樽市総合博物館前の列車レストラン

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ジョセフ・U・クロフォード像

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これが北海道の「ゼロ哩ポイント」

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転車台

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一等客車「い1号」を連結している「しづか号」

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手宮港の模型

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幌内鉄道の試運転の模型

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

カソリ、アジアカップ決勝を展望す。

(カソリ)

管理人さん、PCの復活、おめでとう!

ついさきほどまでは、アジア杯の3位決定戦、韓国対ウズベキスタン戦を見てましたよ。
どちらが勝ってもいいので、わめくこともなく、正月の残った餅を焼いて食べながら見てました。
こういうのって、いいものですね。

結果は3対2。韓国はけっこう手こずって勝ちました。
オーストラリアはそのウズベキスタンに6対0で勝ってます。
点差だけでは判断できませんが、オーストラリアはやっぱり難敵ですね。
W杯の悪夢もよみがえってきます。

それだけに3-0ぐらいのスカーッとした勝ち方で、
優勝してもらいたいですね。
明日は本田にもう少し、
「俺が、俺が」のプレーをしてもらいたい!

===
(管理人)

確かに、本田は存在感抜群ですが、得点は股間を通した(通ってくれた?)PKだけですからね。
FKもこれまでは不発だし。
あのインタビューでのビッグマウスには、ウチでも上さんとゲラゲラ笑って見てるので、それに相応しい活躍をどうか最後で見せてもらいたいものです。

日韓戦からのゲンを担いで、以下を記述しておきます。

決勝はオージーになりました。厄介ではありますが、チーム上昇曲線でいうと勝てると思います。
香川が出られないので(出たら出たで、押さえ込まれたと思う)、藤本が出るでしょうが、後半の勝負どころで柏木にスイッチしたらよいかと。途中交代の柏木は左に入り、岡崎を(本来の)右にスイッチ可。
守備では岡崎とともにサイドからセンタリングに厳しく応対すればよいでしょう。これで、横ポン系オージーの攻めにも対応。
3-1で日本が勝つという妄想しかありません。
得点は岡崎、本田、柏木、ケーヒル。

当たったら奢ってくださいw

===
(カソリ)

今夜は気合を入れて期待しましょう!
本田がねぇ…。
ほんとうに本田がねぇ…。

もう少し強引に、ガムシャラにゴール前に切れ込んでもらいたいですよ。
FKはここまでまったく決められないし。
ほんとうに頼みますよ、本田さん!

ぼくは香川の欠場は吉と出ると思ってます。

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

「青春18きっぷ2010」(21)

第3日目(函館→旭川・その6)

 函館本線・小樽行の列車は14時04分、倶知安駅を出発。1両編成のディーゼルのワンマンカーにはかなりの乗客。さすがニセコをひかえた倶知安だけあって、ヨーロッパ人の姿が目立った。オーストラリア人か。

 列車は倶知安峠を越える。すると急速に雪が少なくなった。
 つづいて稲穂峠を越える。
 稲穂峠の「稲穂」はアイヌ語の「イナウ」(木の御幣)からきている。
「イナウ」は木の御幣といったが、たとえばこのような使い方をする。

===
「あるメノコ(女)が、夫が山猟に行った留守の間、朝夕の煮炊きを面倒がって、残り物ばかりを食べていた。するとある日、イロリ端の土間に横になって休んだところ、体が土にくっついて離れなくなった。

 山猟から帰った夫は驚いて、急いで【イナウ】をつくり、アペ・フチ・カムイ(火の・おばあちゃんの・神様)に祈った。どうか妻を許してください。
 おかげで、女は元通り起き上がることができた。

 朝夕の煮炊きのためにイロリにくべる薪は、アペ・フチ・カムイの食物。その大事なものを女は差し上げなかった。それで罰をあたえられたのさ」(アイヌの昔話より)
===

 そんな「イナウ」に「稲穂」の字を当てるところに、北海道人の稲に対する熱い想いが見て取れる。
 北海道では亜熱帯作物の稲を道南から道央、道北へと栽培エリアを拡大させ、亜寒帯でまで、稲をつくっている。

 そんな北海道の稲作を見たくて、20数年前、列車で函館から稚内まで行ったことがある。それはぼくにとっては忘れられない列車旅になった。少し長くなるが、そのときの北海道の稲を追った列車旅を紹介しよう。

◇◇◇

 1986年9月16日、函館発8時02分の札幌行特急「北斗3号」に乗った。

「北斗3号」は函館の市街地を抜け出ると、広々とした草原を走る。木の柵で囲まれた牧場で馬が草を食む風景はいかにも北海道らしいもの。だがそれとともに、金色に染まった稲田の風景が、北海道が日本であることをあらためて感じさせてくれた。

 函館平野(大野平野)は北海道の稲作発祥の地。旧大野町の文月で元禄年間(1688年~1704年)に水稲栽培がおこなわれた記録が残っている。

 しかし北海道で稲作が本格的におこなわれるようになるのは明治になってからのこと。稲作地帯は短期間に石狩、空知、上川と北に延びていった。

 12時05分、「北斗3号」は札幌に到着。駅周辺の北海道庁旧本庁舎や時計台を見てまわり、大通り公園、中島公園を歩き、ひと晩、札幌に泊まった。

 翌朝、7時00分発の網走行き特急「オホーツク」に乗り込み、旭川に向かった。

 トウモロコシ畑やジャガイモ、タマネギ、ダイズ畑が見える。牧草地も見える。だがそれら畑作地や牧草地よりも、一面に黄金色に染まった稲田の方が、はるかに広い面積を占めていた。さすが北海道、一枚の田は内地とは比べものにならないくらいに広い。

 石狩平野で稲作が本格的にはじまったのは、明治28年に北海道庁が稲作試験場を設けてからのことだという。「坊主」という優れた耐寒品種が生まれ、内地とは違う直播の稲作技術が発達した。いかにも大規模農業の北海道らしい話だ。

 明治30年には北海道拓殖銀行が設立され、農民に資金を貸し出すようになってからというもの、泥炭地の土地改良ができるようになった。そのため低地で水の得やすいところはことごとく水田化され、石狩平野は北海道の一大穀倉地帯になった。

 8時45分、旭川着。ここで8時52分発の宗谷本線の急行「礼文」に乗り換える。

 2両編成の急行「礼文」は旭川駅を発車すると上川盆地をひた走る。
 石狩平野、空知平野と同じような稲作地帯の上川盆地だが、
「これが平野と盆地の違いかな」
 と思わせたのは、一枚一枚の田が狭くなったことだ。

 上川盆地で稲作が本格化したのは、石狩平野よりも10年あまり遅れた明治30年代後半。冬は気温が氷点下20度以下に下がる酷寒の地だが、夏は気温が30度を超える盆地特有の気候が稲作を可能にした。

 列車は上川盆地の北端にさしかかり、ディーゼルのうなりを上げながら、塩狩峠を登っていく。目をこらして稲田を見つづける。峠下の最後の稲田が消えたとき、
「あー、これで日本の稲作地帯が終った!」
 と、思った。

 列車は峠を下る。天塩川流域の名寄盆地に下って驚かされたのは、上川盆地で消えたとばかり思っていた稲田がまた車窓に現れてきたことだ。
 その驚きは、日本の稲作の北限が「あー、ここまで延びてきているのか!」という感動でもあった。

 9時28分、士別着。まだ稲田が見える。
 10時01分、名寄着。まだ稲田が見える。

 列車は名寄を出ると、天塩川の右岸を走るようになる。蛇行を繰り返す天塩川。名寄盆地はその幅をぐっとせばめ、やがて列車は谷間に入る。そこで稲田は消えた。

 10時22分、美深着。消えたとばかり思った稲田が、なんとまた、姿を現したのだ。
 いったい日本人は、どこまで北で稲をつくっているのか。

 しかし、さすがにこのあたりまで来ると、稲田があるとはいっても、ダイズやトウモロコシ、ジャガイモなどの畑や牧草地の方がはるかに広い面積を占めている。

 美深を出て2つ目の駅、紋穂内駅の手前で稲田を見た。それが車窓から見た最後の稲田になった。紋穂内は地図で見ると、北緯44度30分前後であろうか。

 稲田が見えなくなると、車窓を流れていく風景は急速に荒涼感を増した。
 こうして13時05分、急行「礼文」は終着の稚内駅に到着した。…

 (以上、1986年の鉄道旅)

◇◇◇

 小樽行の列車は稲穂峠のトンネルを抜け出ると銀山駅に停まり、そこから余市に下っていく。余市では満員になる。通路も立つ人でほとんどふさがってしまう。

 函館から倶知安までガラガラの乗客を見つづけてきたので、満員の車内の光景がすごく目新しい、新鮮なものに映った。

 こうして15時29分、定刻通り小樽駅に到着。途中、かなり激しく雪が降ったが、それで遅れることはなかった。

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倶知安駅

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小樽行のワンマンカー

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稲穂峠を越えて銀山駅に到着

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余市の市街地に入っていく

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小樽に到着

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雪まみれの列車

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雪の小樽駅

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小樽駅の札幌方面行ホーム

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

お詫び:管理人PC、本格的に壊れる。

(管理人より)
本日帰宅するとPCが本格的に起動しない。
数日前にリカバリしたてなのに・・・(涙)。

もう大丈夫と油断して、いろいろ削除してしまったし、むろんこの数日変更したり作業した内容がすべてパー。
何も退避できないまま、悟りの境地で再リカバリ。

だれか! ウイルスとか入れてないよね・・・orz orz orz

というわけで記事更新がちょっと停滞しますが、なにとぞご理解いただけますよう、よろしくお願い申し上げます・・・

(日韓戦と子育てで睡眠不足ピークなのに、いま3時49分・・・拷問かいな!)

なにとぞ!

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

管理人、コーフン状態でカソリの戦評を待つ。(日韓戦)

(管理人)
さすがにもう寝る時間だが、カソリからのメールがまだなので、恐縮ながら先に管理人から口火を。

===
いやぁ、最後はヒヤヒヤ。
あんな時間に失点すんなっての。いやらしいくらい"鹿島ってた(※)"のに。
(※コーナーなどで鬼キープすること)

皮肉なのは、その鹿島に今年から加入する本田拓也(←清水)が戦犯になりかけたこと。
本田と長友でいやらしくキープしていた球を韓国にクリアされ、それを中盤で拾ったところまではいいのに、そのままボーンヘッドのパスを出してしまったホンタク。
失点に至るFKを与えたのもホンタク。身体がついていかないアフター気味のもので、ウォームアップちゃんとしてないのか、本人の運動性能か。
で、最後のFKからごちゃごちゃ状態で、シュートに反応が遅れたのもホンタク。
ちなみに位置取りを川島から見てもっと左コーナーに修正していれば、というのが失点シーンの岩政(鹿島)。

…鹿軍が戦犯になりそうなところ、川島さん、おありがとうございます(笑)。

あと、細貝の突っ込みは最高でした。
あのスピードで完全にファウルなしのタイミングですり抜けてきて、GK前にして天井を打ち抜くなんて、ワタクシにはとてもできません。お見事。

あと、PKを外さなければMVPは長友だったはず。お疲れ様でした!

===
明日の朝か(?)にカソリからメール届き次第、こちらに添付します。
おやすみなさい!(管理人)

===(カソリコメント、来る)

終った瞬間、PK戦になってよかったと思いましたね。
まさかPK戦であそこまでスッキリ気分になれるとは…、夢にも思いませんでした。

すべては川島が1発目に見事な反応をして止めたこと。
あれがすべてでしょうね。

川島は今大会、ほんとうによくなかったですよ。
というよりひどかった。

それだけに韓国戦・PK戦でのファインセーブの連発はきっと決勝で生きてくると思いますよ。
さー、決勝を期待しましょう。

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

「青春18きっぷ2010」(20)

第3日目(函館→旭川・その5)

 雪の長万部の町を歩き、長万部温泉の湯に入り、長万部駅に戻ってきた。
 だが小樽行の発車時刻、12時11分までには、まだ時間がある。

 そこで駅近くの「かにめし本舗かなや」まで行き、長万部名物の駅弁「かにめし弁当」(1050円)を買い、それを長万部駅の待合室で食べた。ほぐしたカニ身がシイタケやグリンピース、錦糸卵などと一緒にのっている「かにめし弁当」は、長万部ならではの味覚だ。

 12時11分発の函館本線・小樽行に乗車。1両編成のディーゼルのワンマンカー。ほとんどガラガラの乗客のまま、長万部駅を発車。さきほど渡った長万部温泉に通じる跨線橋の下を過ぎると、左に大きくカーブし、直進する室蘭本線の線路と分かれていく。

 函館本線は国道5号と平行して走っている。ところどころで樹林の間からは雪煙りを巻き上げて疾走する大型トラックが見えた。

 二股駅を過ぎると蕨岱(わらびたい)駅。雪のホームにはポツンと鉄道車両風の駅舎が建っている。ここは峠の駅。長万部からここまでの川は太平洋側に流れていくが、蕨岱駅を過ぎると、日本海側に流れていく黒松内川になる。
 中央分水嶺の名無し峠になるのだが、この峠はきわめて重要だということでぼくは「蕨岱峠」と呼んでいる。

 ここは地形的に見ても重要なのである。
 この峠を通る構造線(大断層線)は、太平洋(内浦湾)側の長万部から日本海(寿都湾)側の寿都(すっつ)にのびている。「長万部-寿都構造線」でもって渡島半島は北海道の本体につながっている。

 この先、渡島半島が北海道の本体と別々になるときは、本州がフォッサマグナ西側の大断層線、「静岡-糸魚川構造線」でポッキンと折れるのと同じように、間違いなくこの「長万部-寿都構造線」でもって分かれる。

 そのときは長万部海峡ができ、この蕨岱峠は長万部海峡に突き出た蕨岱岬になり、そこから函館本線は長い鉄橋でもって海峡を渡っていくことになる。もっともそれが何万年後か何十万年、何百万年後か知らないが…。

 なお渡島半島の「渡島」は、明治新政府が北海道を11ヵ国に国分けしたときの1国。もしかしたらそのとき「渡島」と命名した人間は地学の知識があって、
「この半島はいつか島になる!」
 という思いで「渡島」と名づけたのかもしれないなと、車中でそんな想像をめぐらせてみるのだった。

 1両の列車は蕨岱駅を過ぎると、軽快なエンジン音を響かせて峠を下り、黒松内町の黒松内駅に停車。次は熱プ(ねっぷ)駅。熱プ駅を過ぎると目名峠を越える。列車は峠のトンネルを抜けていく。

 さきほどの蕨岱峠は地学的に見て重要な峠だが、この目名峠は植生上から見てきわめて重要だ。この峠が日本のブナの北限になっている。

 黒松内町には北海道遺産にも指定されている歌才のブナ林がある。そこには伐採をまのがれた樹高30メートル、幹の太さ1メートルというような大木もある。

 落葉広葉樹のブナの木は、日本の風景を日本らしくいている要素のひとつ。そのブナが消えると、異国の風景の中に入っていくような気がする。

 目名峠を越えると急にトドマツやエゾマツの針葉樹が目につくようになるが、車窓に顔をつけ日本離れした風景を眺めていると、「北海道は日本の新大陸だ!」と思ったりもする。

 列車は目名峠下の目名駅を過ぎ、ニセコ連峰の山裾を通っていく。
 蘭越、昆布、ニセコ、比羅夫と通り、13時42分、倶知安(くっちゃん)に到着。
 倶知安駅の発車は14時04分。20分以上あるので駅の外に出、ボソボソ雪の降る町を歩いた。

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長万部駅に戻ってきた!

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長万部名物の「かにめし」

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「かにめし」を食べる

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小樽行のワンマンカー

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蕨岱駅に到着

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雪で前方は見えない…

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目名峠周辺の雪景色

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ニセコ駅

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倶知安駅に到着

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雪原のような倶知安駅のホーム

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列車は雪まみれ

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雪の倶知安駅

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雪が激しく降っている

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倶知安駅前

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

「青春18きっぷ2010」(19)

 長万部は北海道鉄道網の拠点。ここで函館本線と室蘭本線が分かれる。
 函館から乗ってきた函館本線だが、長万部からはニセコ、倶知安、余市、小樽と通り札幌へ。札幌からは岩見沢、滝川と通り旭川へ。旭川が函館本線の終点になる。

 北海道で最重要路線の函館本線だが、「長万部→小樽」間は本線とは名ばかりの超ローカル線。その間の列車の本数は極めて少なく、特急列車は1本も走っていない。函館発の特急列車はすべて室蘭本線経由で札幌まで行く。

 函館発6時00分の列車で長万部に到着したのは9時30分。次の函館本線経由の小樽行は12時11分。長万部から普通列車は3時間に1本ぐらいしか出ていない。その12時11分発に乗ると小樽到着は15時29分だ。

 長万部ではたっぷり時間があるので、駅待合室でカンコーヒーを飲みながら時刻表を見る。時刻表のページをめくり、長万部から室蘭本線経由で小樽まで行くルートを見てみると、もっと悲惨な状況なのがわかる。

 次の室蘭本線の東室蘭行は13時18分発。長万部で4時間近くも待たなくてはならない。そのあとさらに苫小牧、札幌で乗り換え、小樽到着は18時46分になる。

 室蘭本線も鈍行の普通列車だけに限ってみると、「長万部→東室蘭」間は函館本線の「長万部→小樽」間以上の超ローカル線ということがわかる。

「さー、行くぞ!」
 と気合を入れて長万部駅を出る。すると「ヒェー!」と思わず声が出る。横なぐりの雪が吹きつけてくる。
 ズボズボ足をもぐらせて雪道を歩き、人道用の跨線橋で長万部温泉へ。その上から見下ろす雪の長万部駅の眺めは目に残った。

 数軒の温泉旅館が並ぶ長万部温泉では「長万部温泉ホテル」(入浴料420円)の湯に入る。ここは宿の温泉であるのと同時に、温泉銭湯風にもなっている。

 熱湯と温湯、2つの湯船。大浴場には打たせ湯もある。湯につかった瞬間、生き返るようだった。
 淡黄色でほぼ透明、無臭の湯は塩味がする。源泉の湯温は49・6度。
 入浴客はぼく1人。貸切湯状態で、大浴場の湯船を独占。う~ん、たまらん!

 脱衣所には「温泉豆知識」が貼られている。それには次のように温泉が分類されている。

===
【浸透圧による温泉の分類】
 生物細胞の物質代謝は細胞膜内外の塩類濃度差から生じる浸透圧の大小が大きく関与しています。
(温泉名)
  高張性泉…人体の細胞液より高い浸透圧を持つ温泉
  等張性泉…人体の細胞液と等しい浸透圧を持つ温泉
  低張性泉…人体の細胞液よりも低い浸透圧を持つ温泉
【液性による温泉の分類】
 (温泉名)   (水素イオン濃度)
  アルカリ性泉……PH8.5以上
  弱アルカリ性泉…PH7.5~PH8.5(人体への刺激が少なく皮膚にやさしい)
  酸性泉……………PH5.0未満
【泉温による温泉の分類】
 (温泉名) (泉温)
  高温泉……42度以上
  温泉………34度~42度
  低温泉……25度~34度
  冷鉱泉……25度未満
===
 
 ということで、PH7.95、源泉の湯温49.5度の長万部温泉は、高張性弱アルカリ性の高温泉(塩化物泉)ということになる。湯上りのあといつまでも体がポカポカするのはそのためだという。そうなのか。
 いやー、列車を待つ間の長万部温泉では、じつにいい勉強をさせてもらいました!

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長万部駅

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長万部駅前

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駅前の案内図。これを見て歩き出す

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雪の駅前通り

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長万部の町並み

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跨線橋から見る長万部駅

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長万部温泉の温泉街

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「長万部温泉発祥之地」碑

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「長万部温泉ホテル」

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「長万部温泉ホテル」の大浴場

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

カソリ&管理人、カタール戦に興奮す。

(カソリ)
日本、ほんとうによくやりましたよね。
吉田の退場、そのあとのFKを決められたときは、「あー、もうダメだ」と観念しましたよ。

それだけに1人少ないなかで決めた香川の2点目は、まさに起死回生。
それが信じられないような3点目につながりました。

あそこでよく伊野波が右から詰めていましたよね。
あの3点目も香川のからんだ点。
香川の復活が大きいですよ。

日本は絶対絶命のピンチから這い上がりました。
これはすごいことですよ!!!

(管理人)
いやぁ、見ていて疲れましたが痛快でした。
あそこまでドラマチックなのはジーコジャパンのヨルダン戦まで遡るかと。
10人になってからの長谷部の動きも出色でしたね。
香川はまだまだやらないと駄目ですね。ゴール直結の働きをしているからよいものの、緩慢なプレイでたびたび浅はかなボールロストをしていました。

3点目は、その前のプロセスでめちゃくちゃなタックルを複数の選手が受けています。
それでもバイタルエリアに複数選手が侵入し、伊野波もその前からスルスルっと上がっていました。
日本チームに足りない"killer instinct"を少なくともあの瞬間はチームとして体現したのは見事。
延長になっていたら負けていたと思います。

次は韓国になりました。厄介ではありますが、チーム上昇曲線でいうと勝てると思います。
吉田が出られないので(出たら出たで、やられていたと思う)、岩政が出るでしょうが、相方を伊野波にして、調子のよい今野はトリプルボランチ(今野、長谷部、遠藤)に入れてしまうのがよいかと。
前は希望としては2トップ、岡崎&本田。トップ下に香川でいいでしょう。香川と本田は流動的にスイッチ可。
これで、これまでの試合で味方が内田&長友の前をふさぎがちな症状を解消しつつ、縦ポン形韓国の攻めにも対応。
2-0で日本が勝つという妄想しかありません。

当たったら奢ってくださいw

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

「青春18きっぷ2010」(18)

 雪の駅前を歩いたあと、森駅に戻り、長万部行1両のジーゼルカーが停車しているホームへと、跨線橋を渡る。

 ちょうどその時、函館発札幌行の特急「スーパー北斗1号」が到着。6両編成の「スーパー北斗1号」と1両編成の長万部行が並んだ光景は目に残った。背景が雪景色なので、よけいにゾクゾクッとするようなシーンになっている。

 8時00分、大沼始発の普通列車が到着。これにはちょっとびっくり。というのはこの列車はぼくの乗った長万部行よりも1時間近くも後に大沼駅を出ているからだ。

 前回ふれたように、大沼駅で函館本線は山側ルートと海側ルートに分れ、その2本のルートは森駅でまた一緒になる。

 海側ルートの長万部行が大沼駅を出発したのは6時44分。山側ルートの大沼始発森行の普通列車が大沼駅を出発したのは7時30分。44分遅れて出発した列車が、森駅で先行する長万部行に追いついた。それに驚かされたのだ。

 本数極少の函館本線で、先行の列車に追いつけるなんて。
『函館本線殺人事件』か何かの鉄道ミステリーのトリックに使えるネタではないか…と思ったりした。もうすでに、そういう作品が出ていたりして。

 森駅に31分停車した長万部行は8時05分に発車。乗客はぼく1人…。
 森を出ると、内浦湾(噴火湾)がよく見えるようになる。右手の車窓いっぱいに雪雲のたれこめた鉛色の海が広がっている。内浦湾の湾岸一帯もかなり激しく雪が降っている。

 北海道の幹線、国道5号が函館本線の線路と平行して走っている。普段だと法定速度をはるかに超える速度で車が走る国道5号だが、さすがに降りしきる雪にはかなわないようで、どの車もかなりスピードを落としている。そのため、長万部行の列車は次々と車を追い抜いていく。

 桂川、石谷、本石倉、石倉と通り、8時27分に落部に到着。ここで何人かの人たちが乗ってくる。次の野田生でも、その次の山越でも乗ってくる。かなりの乗客になったところで8時44分、八雲に到着。ここで全員が降り、また乗客は自分1人になった。

 八雲の3つ先の駅、黒岩駅では反対方向の特急列車待ち。このあたりは単線区間で、2つ先の駅、国縫駅を過ぎるとまた複線区間になった。

 9時30分、終点の長万部に到着。
 ガラガラ状態で函館駅を発車した1両編成の列車は、ガラガラ状態で長万部駅に到着した。
 長万部発の函館本線・小樽行は12時11分なので、ここでは2時間41分ある。
「さー、温泉だ、温泉だ!」
 とばかりに「温泉のカソリ」、雪の長万部の町に飛び出していった。

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雪の森駅

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森駅で特急列車の待ち合わせ

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森駅からは線路の向こうに内浦湾が見える

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内浦湾の漁港

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石谷駅

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函館本線に平行して走る国道5号

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野田生駅

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黒岩駅

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ワンマンカーの運賃表

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長万部に到着

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雪に埋もれた長万部駅

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

管理人PCリカバリのため

更新が滞っており恐縮です。
ようやく復旧してきましたので、今晩あたりからまた18きっぷ、再開です。
ご了解のほどよろしくお願いいたします。

(管理人)

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

「青春18きっぷ2010」(17)

第3日目(函館→旭川・その2)

 函館朝市を歩いたところで函館駅へ。改札口で「青春18きっぷ」の2日目の日付印をもらい駅構内へ。

 4番ホームに停車中の函館本線・長万部行に乗る。1両編成のディーゼルのワンマンカー。上野駅を出発したときは宇都宮線の15両編成の列車だったので、ついにそれが1両になった。

 車両後部のボックスシートに座る。車内はガラガラ。ほかの乗客といえば前の方にギターを持った旅人風の人が1人、座っているだけ。発車時刻になっても乗客は2人だけだった。

 6時00分、函館本線の長万部行は函館駅を発車。五稜郭、桔梗、大中山と函館市内の駅に停まっていくが、乗る人はいない。その次の七飯駅で2、3人乗っただけ。七飯を過ぎると山中に入り、雪の降り方が激しくなった。

 6時40分、大沼着。函館本線はここで山側と海側の2本のルートに分かれ、森で合流する。
 ぼくの乗った長万部行は海側ルートで鹿部、砂原と通って森へ、もう1本の山側ルートは大沼公園、駒ケ岳と通って森に通じている。山側ルートの方が短いので、特急列車はすべて山側ルートを通っていく。

 大沼駅で明るくなった。大沼駅を過ぎると雪はさらに激しさを増した。
 これがバイクだったら…と、思わず首をすくめてしまう。

 その2年前、2008年の「日本一周」を思い出す。今回とほぼ同じ季節にスズキの125ccスクーター、アドレスV125Gで北海道を一周したが、猛烈な吹雪やツルンツルンのアイスバーンに何度、泣かされたことか。
 道北・猿払ではぶ厚いアイスバーンに乗り上げ、痛恨の転倒…。胸を強打し、息ができないままバイクを走らせた。
 函館本線の車窓から一面の雪景色を見ていると、そんな痛い思い出が鮮やかによみがえってくる。
 ということで、地吹雪に見舞われたときの写真を1枚、載せておこう。

 それにしても列車旅は楽だ。
「こんなに楽をいていいんだろうか…」
 といった罪悪感にちょっぴりかられてしまう。
 歯をくいしばって雪に立ち向かっていく必要もない。転倒の不安もない、心配もいらない。

 列車は雪原を行く。大沼のすぐ近くを通っていくが、湖は見えない。駒ケ岳もまったく見えなかった。
 鹿部温泉のある鹿部からは内浦湾岸を行く。函館本線と平行して走る国道278号は海岸を行くが、函館本線はそれよりも山側で、海は時々ちらっと見える程度。渡島沼尻、渡島砂原…と通り、7時34分、1両の列車はガラガラ状態のまま森駅に到着した。

 ここでは特急列車や貨物列車の待ち合わせで30分以上、停車する。
 そこでいったん改札口を出て、ボソボソ雪の降る森の町を歩くのだった。

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函館駅を出発!

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函館駅の改札口

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長万部行の列車

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長万部行は海側の砂原経由

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長万部行列車の運転席

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車内はガラガラ

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函館本線・車窓の雪景色

◇◇◇

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(※この写真のみ2008年12月6日)地吹雪の国道238号を行く

◇◇◇

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鹿部駅

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渡島沼尻駅

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渡島砂原駅

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尾白内駅

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森駅に到着

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

「青春18きっぷ2010」(16)

第3日目(函館→旭川・その1)

 函館港フェリー埠頭から雪道を死にものぐるいで歩き、午前5時前、函館駅前に到着。函館本線の一番列車、6時発の長万部行きに乗るので、まだ1時間以上の時間がある。

 函館朝市の「どんぶり横丁市場」を歩いた。何軒もの食事処の店が入っているが、残念ながらまだどこも開いていない。そこで各店のメニューがズラリと並べたショーウインドを1軒づつ見ていった。これはけっこう楽しい。
 函館名物の朝市の方はポツポツと店が開きはじめていた。

 朝市のドーム内には「のんちゃん」という食堂があった。
 まもなく開店という感じだったので、店に入り、
「食事、できませんかねえ」
 と聞いてみる。

 するとうれしいことにおかみさんは、
「えー、いいですよ。ちょっと待ってもらえれば、すぐにつくりますよ」
 といってくれる。
 ということで5時過ぎには「ほっけ定食」(1200円)を食べることができた。
 たっぷりと脂ののったホッケは旨かった。カニ汁も…。

 ぼくは函館が好きだ。
「北海道一周」というと、出発点は函館に決まっている。終着点も函館だ。いままでに何度、函館を出発点、終着点にして北海道を一周したことか。

 2009年には400㏄バイク、スズキDR-Z400Sを走らせて北海道を一周した。「北海道一周」をしながら、全部で52件ある「北海道遺産」をめぐったのだ。
 そのときの「函館」を「北海道遺産」がらみで紹介しよう。

 夜明け前の函館駅前に到着すると、まずは「どんぶり横丁市場」の「道乃家」で「鮭ハラス焼定食」を食べた。函館駅前では動き出した路面電車を見た。函館は路面電車の走る町。函館の西部、元町にあるハリストス正教会やカトリック教会などを見てまわり、ロープウエーで函館山に登った。函館の町並みを一望したあと、山上に残る砲台跡や地下の要塞跡を見た。五稜郭を歩き、最後にまた函館駅前に戻り、「どんぶり横丁市場」の「しお家」で「塩ラーメン」を食べた。函館ラーメンは札幌ラーメン、旭川ラーメンと並ぶ北海道の3大ラーメンのひとつになっている。

 これら「サケの文化」「路面電車」「函館西部地区の街並み」「函館山と砲台跡」「五稜郭と箱館戦争の遺構」「北海道のラーメン」は北海道遺産に指定されている。下記のような、全部で52件の北海道遺産を頭に入れてまわると、また新たな北海道が見えてくる。

「北海道遺産めぐり」は絶対のおすすめだ。

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函館朝市の「どんぶり横丁市場」

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水槽ではイカが泳いでいる

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「どんぶり横丁市場」のメニューの数々

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函館朝市内の「のんちゃん」

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「のんちゃん」の「ほっけ定食」

◇◇◇
■北海道遺産

01、稚内港北防波堤ドーム
02、留萌のニシン街道(旧佐賀家漁場、旧花田家番屋、岡田家と生活文化)
03、増毛の歴史的建物群(駅前の歴史的建物群と増毛小学校)
04、石狩川
05、空知の炭鉱(関連施設と生活文化)
06、北海道大学(札幌農学校第2農場)
07、路面電車
08、小樽みなと防波堤
09、京極ふきだし湧水
10、姥神大神宮と江差追分
11、上ノ国の中世の館
12、福山(松前)城と寺町
13、函館山と砲台跡
14、内浦湾沿岸の縄文文化遺跡群
15、モール温泉
16、ワッカ/小清水原生花園
17、ピアソン記念館
18、摩周湖
19、根釧台地の格子状防風林
20、霧多布湿原
21、螺湾ブキ
22、旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群
23、旭橋
24、雨竜沼湿原
25、江別のれんが
26、オホーツク沿岸の古代遺跡群
27、開拓使時代の洋風建築(時計台、豊平館、清華亭など)
28、五稜郭と函館戦争の遺構
29、サケの文化
30、札幌苗穂地区の工場・記念館群
31、静内二十間道路の桜並木
32、積丹半島と神威岬
33、森林鉄道蒸気機関車「雨宮21号」
34、宗谷丘陵の周氷河地形
35、土の博物館「土の館」
36、天塩川
37、屯田兵村と兵屋
38、ニッカウヰスキー余市蒸溜所
39、野付半島と打瀬舟
40、登別温泉地獄谷
41、函館西部地区の街並み
42、北限のブナ林
43、北海幹線用水
44、北海道の馬文化(ばん馬・日高のサラブレッド)
45、昭和新山国際雪合戦大会
46、北海道のラーメン
47、アイヌ語地名
48、アイヌ口承文芸
49、ジンギスカン
50、スキーとニセコ連峰
51、アイヌ文様
52、流氷とガリンコ号

◇◇◇
(※以下は2009年10月13日の撮影)

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2009年10月13日未明、函館駅前に到着

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函館朝市

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「どんぶり横丁市場・道乃家」の「鮭ハラス焼定食」

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「どんぶり横丁市場・しお家」の「塩ラーメン」

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函館の路面電車

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ハリストス正教会

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ロープウエーで函館山に登る

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函館山の砲台跡

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

「青春18きっぷ2010」(15)

第2日目(東京→函館・その10)

 20時45分、「青い森鉄道」の終点、青森駅に到着すると、人影もまばらな跨線橋を渡る。そこから見るライトアップされた青森ベイブリッジがきれいだ。

 改札口を出て青森駅前に立ったときは胸がジーンとしてしまう。
 何度、この青森駅前にバイクと一緒に立ったことか。
「東京→青森」というのは、バイクツーリングのゴールデンルート。東京を出発すると、ゴールは決まって青森駅前。青森の駅前旅館や駅前ビジネスホテルにも何度も泊まっている。 

 ぼくはバイクでの一気走りが好きだ。
「東京→青森」は一気走りにも最適なルート。
 午前0時(長距離の一気走りをするときは午前0時出発と決めている)に東京・日本橋を出発し、あるときは国道4号で、あるときは国道6号→国道45号の太平洋ルートで、あるときは国道17号→国道8号→国道7号の日本海ルートで走る。

 バイクを停めるのは3度の食事時と給油時だけ。あとはただひたすらバイクを走らせる。
 国道4号で14、5時間、太平洋ルートで21、2時間、日本海ルートで22、3時間といったところか。クタクタになって青森駅前に到着したときの感動といったらない。
 思わず、「俺はやったぜー!」と、叫びまわりたくなるほどだ。

 そんな青森駅前から雨に濡れながら歩き、津軽海峡フェリーのターミナルに向かう。
 青森ベイブリッジに螺旋階段で登ろうとしたら、警備員が降りてきて、
「上は閉めたよ」
 といわれた。
 夜の9時で閉めるようだ。時間はジャスト9時。
「なんとか開けてもらえませんかねー」
 と頼んではみたものの、ダメなものはダメで、ベイブリッジには登れなかった。

 この螺旋階段を登れないと、大きく迂回しなくてはならない。バイクならば何という距離でもないが、このあたりが歩きの辛さ。時間が読めない。

 22時15分発の津軽海峡フェリーには何が何でも乗らなくてはならないので、青森駅前から津軽海峡フェリーのターミナルビルまではタクシーに乗った。タクシー代は1540円。これも「青春18きっぷ」以外の交通費ということになる。

 函館までの乗船券(2700円)を買うと、「ブルードルフィン」に乗船。スタンダード(2等)クラスの船室はガラガラ状態で、広い空間を自分一人で独占。さっそくアサヒ・スーパードライ500mlで、「東京→青森」の全線完乗を祝って乾杯!

 22時15分、定刻通りに「ブルードルフィン」が青森港を出港すると、ザックの中に入れたシュラフを引っ張り出し、雨具を枕にして寝る。津軽海峡フェリーは函館までの交通手段になるだけでなく、1泊分のホテルがわりにもなる。函館到着までの4時間弱、ぐっすりと眠った。

 ところで「青森→函館」間だが、「青春18きっぷ」は特例で使える。
「青春18きっぷ」の案内(2)には、次のように書かれている。
「津軽海峡線木古内~蟹田間、石勝線新得~新夕張間は普通列車が運行していないため、特例として当該区間内相互発着の場合に限り、このきっぷのみで特急列車の普通車自由席に乗車できます。ただし、特例区間にまたがって乗車する場合は乗車全区間の乗車券及び特急券が必要です」

 ぼくの場合は青森到着が20時45分。この時間だと22時11分発の列車で蟹田までは行けるが、それに接続する津軽海峡線の特急列車はない。

 もうひとつは青森発22時42分の札幌行急行「はまなす」に乗る方法だ。これだと函館到着は午前1時。午前1時の到着だと、函館駅前のどこか宿に泊らなくてはならないので、津軽海峡フェリーで函館に渡ることにしたわけだ。

「ブルードルフィン」が津軽海峡を越えると、天候は急変した。
 猛烈な吹雪。
「ブルードルフィン」は強風に翻弄されてなかなか接岸できず、函館港のフェリー埠頭には30分遅れの2時25分に到着した。

「ブルードルフィン」を下船すると、目もあけていられないような猛吹雪。これはたまらん…と尻尾を巻いてフェリーターミナルに逃げ込み、暖房の効いたソファーで1時間ほど眠った。
 こういうときは寝るに限る。

 目をさますと雪はちらつく程度で、強風もかなりおさまっていた。
 函館港から函館駅まで歩く。気温は氷点下3度。雪に滑って「ステーン」をやらないように、両足をスキーのように滑らせて歩いた。函館駅前に到着したのは5時前。上野を出発してからほぼ24時間後のことだった。

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青森駅の跨線橋

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青森駅から見る青森ベイブリッジ

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「青い森鉄道」とJR大湊線の運賃表

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改装工事が終って新しくなった青森駅

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青森駅の長いホーム

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「ブルードルフィン」に乗船

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これが「ブルードルフィン」

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お洒落な「ブルードルフィン」のロビー

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「ブルードルフィン」の船室で乾杯!

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函館港に到着

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雪の函館港から歩き出す

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函館駅前に到着!

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