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カソリの林道紀行(33)東北編(その5)

みちのく5000(5)
(『バックオフ』1995年11月号 所収)

“みちのく5000”のフィールドも、いよいよ北へ。飯豊連峰周辺から朝日連峰周辺のダートを激走! さらに宮城・山形県境の奥羽山脈峠越えルートへ。
 今回のエリアDでもダート走行は200キロを超えた。通算で908キロになり、1000キロが目前だー!

“みちのく5000”の今回のエリアDは、次の3つのパートから成っている。
 1・飯豊連峰篇
 2・朝日連峰篇
 3・奥羽山脈篇

 まず、第1ステージの飯豊連峰だが、福島・山形・新潟の3県にまたがる大山塊で、主峰は標高2105メートルの飯豊山。その飯豊連峰東側・赤崩山の山頂直下、福島・山形県境の峠を越えて五枚沢・葡萄沢林道を走った。一部区間は往復になるが、この五枚沢・葡萄沢林道の全線を走ると、43キロのダートになる。東北の豊かな自然をたっぷりと味わえる、走りごたえのある林道だ。

 次に、第2ステージの朝日連峰だが、山形・新潟の県境に連なる大山塊で、その南端からは、飯豊連峰がほぼ直角に連なっている。主峰は標高1870メートルの大朝日岳。幻の巨魚“タキタロウ”がいる大鳥池も朝日連峰にある。

 この朝日連峰篇では、山形県の小国から三面林道で蕨峠を越えて新潟県側に入り、そして朝日スーパー林道を走った。朝日連峰の西側の林道で、県境の朝日峠を越えて山形県の大鳥に下った。かつて、ロングダートの代名詞だった朝日スーパー林道も舗装化が進み、ダート区間は27キロになっていた。

 ここではさらに、朝日連峰の東側に出、“朝日三鉱泉”に入りながら地蔵峠林道、西五百川林道、黒鴨林道と走ったが、これがよかった!

 最後は、第3ステージの奥羽山脈篇だが、山形・宮城県境の奥羽山脈の峠越えルートを走った。山形から宮城へ、宮城から山形へ、また、山形から宮城へと、奥羽山脈を横断していったのだ。この峠越えルートというのが、林道のなかでも、一番おもしろい。

 山形県の上山から、舟引山峠を越えて宮城県の白石に通じる南蔵王・不忘山林道は、ダート24キロ。峠周辺からの展望はすばらしく、とくに宮城県側のダートは適度に荒れていて走りがいがある。今回のエリアDのナンバーワン林道といっていい。

 おまけに、林道を走り抜けたところには、蔵王開拓温泉という新しい温泉ができている。ここの大露天風呂は、入る価値が十分にある。休憩室もあるので、ダート走行で疲れた体を休めることもできる。

 この南蔵王・不忘山林道を一番南として、二口林道、田代林道と、山形・宮城県境の奥羽山脈の峠越え林道を走った。

 二口林道は、山形県側が舗装化工事のため、二口峠で通行止めになっていた。で、宮城県側のダート10キロを往復した。県道に昇格した二口林道なので、山形側の全線舗装化はもう間近。宮城県側のダート区間が残されているのがせめてもの救いだ。

 なんと田代林道も県道に昇格し、舗装区間が延びている。とくに山形側が急ピッチ。そのため、ダート区間は23キロに減っている‥‥。ということで、みなさん、おもしろいダートが残っているうちに、ガンガンと走りまくろうではないか!

“みちのくの狼”カソリ&ブルダスト瀬戸のコンビは、午前4時、東京渋谷のBO編集部を出発。今回は2台ともDR250Rだ。カソリがホワイト、ブルダストがパープルのDRだ。首都高から東北道と“みちのく”へのメインルートを突っ走る。

 那須高原SAで朝食。豚汁定食がないので、そのかわりに、雑炊定食を食べる。SAにある芭蕉の「奥の細道」の句碑、「田一枚 植えて立ち去る 柳かな」を見て出発。郡山JCTで、東北道から磐越道に入る。

 磐越道の新中山トンネルを抜けると天気が急変し、ザーザー降りの雨になる。それまでは、東京からずっと天気がよかったのに‥‥。気温もいっぺんに5度近くも下がる。奥羽山脈の中山峠をはさんで、信じられないくらいに天気が変わった。

 磐越道の会津若松ICが今回のエリアDの出発点。R121を北へ。
「こう寒くては、たまらないゼ」
 と、熱塩温泉に立ち寄り、共同浴場の湯に入る。“熱塩”の名前どおりに、熱い、塩味のする湯だ。

「カソリさん、温泉って、ほんとうにすごいですね!」
 と、ブルダストも絶賛するほどの“温泉効果”で、雨と寒さのダブルパンチに痛めつけられた体に元気がよみがえってくる。
 おまけに、温泉に入っているあいだに雨は上がった。

 熱塩加納村の村役場がある加納から、ゆるやかな峠を越えて五枚沢の渓谷に下り、最奥の集落、五枚沢を過ぎると、五枚沢林道のダートに入っていく。道幅は狭い。車1台がやっと通れるくらいだ。交通量が少ないので、道の中央には草がはえている。石のゴロゴロした路面の荒れた個所もある。

 峠に向かって一気に駆け登っていく。五枚沢の集落から10キロで峠に到着。名無し峠だが、赤崩山峠とでもしておこう。うれしいことに、まぶしいくらいに日が射してきた。

 福島・山形県境の赤崩山峠は、飯豊連峰東側の山並みを越える峠。唯一の通り抜けできるルートになっている。ブナの大木が、この峠のいい目印だ。

 峠を越えて山形県側に入ると、谷地平と呼ばれる平坦な湿原。そこを走り抜けると、T字路に出る。これが葡萄沢林道。直進して峠下の集落、広河原に下っていく道も、左折して峠下の集落、岳谷に下っていく道もともに葡萄沢林道である。

 まず直進して広河原へ。その途中では、マウンテンバイクの一団に出会った。最近、林道では、けっこうマウンテンバイクに出会う。広河原までは、15キロのダート。そこからT字路に戻り、次に岳谷へ。その手前に葡萄沢林道の起点碑が立っているが、5キロのダートだった。

“みちのくの狼”カソリ&ブルダスト瀬戸の“みちのく5000踏破隊”は第1ステージの「飯豊連峰篇」から第2ステージの「朝日連峰篇」へと舞台を移す。
 九才峠を越えてR113に出、小国へ。

 北に朝日連峰の山々が連なり、南に飯豊連峰の山々が連なる小国は、まさに“小国”どおりの、独立した小世界。心ひかれる世界だ。

 小国温泉のひなびた温泉宿の湯に入り、国道沿いの食堂で山菜がゴソッと入った山菜ラーメン・ライスを食べ、最後に2台のDRを満タンにし、我らの次ぎなるフィールド、朝日連峰へと向かっていく。

 小国郷最奥の集落、荒沢から三面林道に入る。
 猛烈な睡魔。目をあけていられない。
「15分、15分ね」
 とブルダストにいって、DRを止め、林道のわきの草原で寝る。横になった瞬間、ほんとうに2、3秒で爆睡状態。ドロドロの底無し沼に落ちたような深い眠り。
 キッチリ、15分で目覚める。
 カソリ、エライ!

 蕨峠を越えて新潟県の三面へ。奥三面ダムの工事で、かつての三面の集落は、今はない。三面川にかかる橋が工事中。仮橋が大雨で流され、カソリ&ブルダスト、こわごわと、揺れるつり橋を渡った。

 朝日スーパー林道に入る。
 舗装が延び、今では“朝日スパーライン”といっている。それでも、県境の朝日峠に近づくとダートになる。峠を越えて山形県の大鳥へ。27キロのダート。三面林道と合わせ34キロのダート。大鳥では「朝日屋旅館」に泊まった。

 翌朝一番の林道は、鱒淵林道だ。
 荒沢ダムの近くから入っていくが、鱒淵の集落を過ぎるとダートがはじまる。池ノ平峠を越えていく林道。峠を下ると八久和ダム。ここまではダート10キロ。八久和ダムの上を通り、渓谷沿いの八久和林道に入っていく。これがすさまじい道だ。

 林道は廃道寸前で、草がおい茂り、あちこちで崖崩れがおきている。そこを強行突破。崩れ落ちた岩の山の上を越えていくときは、冷や汗もの。登りきれずにブルダストに押してもらったときなど、ザラザラ斜面が崩れ、まさに危機一発。あやうくDRもろとも谷底へ落ちるところだった。月山ダムの工事現場を通りR112に出たときは、心底、ホッとした。
 2本合わせてダート20キロの林道だ。

 R112で月山山麓の峠、六十里越をトンネルで抜け、峠を下ったところで、最上川最大の支流、寒河江川にぶつかる。国道を折れ、この寒河江川の流れに沿って、今度は朝日連峰の東側の奥深くへと入っていく。

 第1番目の地蔵峠林道で地蔵峠へ。3キロのダートを走って峠に着くとなんと大規模林道「真室川・小国線」の山岳ハイウエーに変わり、あっと驚く。峠を下り、古寺鉱泉に立ち寄り、次に、ぶな峠を越える。峠下で西五百川林道に入ったが、これは本格的なダート林道でうれしくなってしまう。

 朝日鉱泉に立ち寄り、愛染峠へ。この間がスゴイ‥‥。けっこうハードなダートで、ブルダストと悪戦苦闘して峠を登っていったが、またしても「真室川・小国線」にぶつかり、またまた、あっと驚く。
 最後は愛染峠から黒鴨林道を下っていったが、ダート24キロの、朝日連峰篇では、最高の林道だ。

 朝日連峰周辺の林道を走り終えると、白鷹町の中心、荒砥に出る。そこから上山へと急ぎ、奥羽山脈の峠越え林道の第1本目、南蔵王・不忘山林道を目指す。時間との競争だ。どうしても夕暮れ前には、峠に立ちたかった。最奥の集落、萱平を過ぎるとダートに入り、DRのエンジン全開で峠へと駆け登っていく。

「間に合った!」
 舟引山の山頂直下、舟引山峠に到着したときは、夕日はまだ、遠くの山々の稜線の上で、眼下の上山盆地を赤々と照らしていた。上り8キロ、下り16キロのダートの南蔵王・不忘山林道は、今回の最高の林道だ。

 山形県の上山から宮城県の白石へと、南蔵王・不忘山林道を走ったあと、R4を北上。、角田市の神次郎温泉の一軒宿「大元荘」で一晩、泊まる。

 翌日はまず仙台に行き、それから秋保温泉、二口温泉に立ち寄り、二口林道に入っていった。
峠に近づいたコーナーで、すれ違いざまに、
「カソリさーん!」
 と声をかけられ、一瞬ビックリ。
 KLX-ESに乗る佐藤利道さん。
「もうすぐカソリさんがこのあたりに来るだろうって、こうしてずっと走りまわっていたんですよ」
 という佐藤さんの言葉がうれしかった。彼と彼の仲間全員とがっちり握手をかわして別れ、二口峠へ。だが、山形側は舗装工事で通行止め。片道10キロのダートを引き返す。峠下では何と佐藤さんらが待ってくれていた。

 宮城県の中新田から奥羽山脈の鍋越峠を越え、銀山林道を走り、銀山温泉に立ち寄り、尾花沢へ。芭蕉の「奥の細道」の最大の難所、山刀伐峠を越えて赤倉温泉へ。

 そこから奥羽山脈の峠越え林道の田代林道に入っていく。9キロのダートを走り、山形・宮城県境の田代峠に到着。
 峠を越え、宮城側を下っていったところで、今回もダート200キロを突破した。その地点でDRを林道の真ん中に止め、万歳と、大声で叫んでやった。宮城県側のダートは14キロ。合計24キロのダートの田代林道だ。    
 そのあと、長沼林道、桧沢林道と走り、最後は築沢林道のナイトラン。鳴子温泉に到着。共同浴場の「滝乃湯」に入る。すべての林道を走り終えたあとなので、ブルダストとホッとできる瞬間。湯から上がるとR47で古川へ。午後8時、東北道の古川ICに到着した。


■コラム■朝日三鉱泉
 朝日連峰の山ふところ深くにいだかれるようにして、古寺鉱泉、朝日鉱泉、黒鴨鉱泉の“朝日三鉱泉”がある。ともに一軒宿。とくに、古寺鉱泉と朝日鉱泉は、人里を遠く離れたところにあり、朝日連峰の主峰群への、絶好の登山口になっている。

 ところで“鉱泉”というのは、湯温が25度以下の温泉を指し、それ以上の湯温の“温泉”と区別する言葉だった。だが、25度の意味はあまりない。60度、70度といった高温の温泉に水をガンガン入れて入るのと、10度、20度といった低温の鉱泉を沸かして入るのと、温泉の効能からいえば、どちらがいいともいえない。

「鉱泉」が半ば死語化するなかにあって、“朝日三鉱泉”は、かたくななまでに“鉱泉”を名乗っている。それがまた、朝日連峰の大自然によく合っているのだ。これら“朝日三鉱泉”をめぐるのにはバイクが一番だ。

 古寺鉱泉の「朝陽館」はランプの宿。まさに秘湯。宿の前を古寺川が流れているが、渓流釣りにはぴったりの川で、イワナ釣りの釣り師と一緒に入った。ここの湯はすごくいい。赤茶けた湯の色。体の芯がホカホカしてくる。混浴。湯船が2つ。源泉は身震いするほどに冷たい。朝日鉱泉は山小屋風の建物で、入浴のみならず、食事もできる。黒鴨鉱泉は湯にヌメリがあり、肌がツルツルしてくる。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

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