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  11 ,2017

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。 20歳でのアフリカ一周から、60歳還暦での「300日3000湯」ツアーまで、そしてその先へ・・・。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。


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Author: 賀曽利隆
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Category: 林道紀行

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カソリの林道紀行(41)東北編(12)
みちのく5000(11)下北編
(『バックオフ』1997年11月号 所収)

足掛け3年にも及んだ「みちのく5000」も、
ついに、最北の地、下北半島までやってきた。
そこは、まさにオフロード天国。
おもしろく走れるダートコースが何本もある!
下北半島は、フィナーレを飾るのにふさわしいエリアだ。

◇◇◇
 前回の「津軽」篇を走り終え、青森駅前にゴールしたのは午後9時だ。
 そしてそのまま青森駅前が、今回の「下北」篇のスタート地点になる。

 相棒のカメラマン、B(バースト)武田に、
「さー、気合を入れて行くゾ。これからダート・ナイトランだ」
 と、一声かけて走り出すのだった。

 マシンはカソリがDR250R、B武田がDJEBEL250XC。前回と同じようにスズキコンビで走る。
 青森からR4で野辺地へ。
 R279で下北半島に入り、横浜で国道を右折。
 下北半島横断のダートルート、県道179号泊むつ横浜線を行く。

 青森から80キロ走ったところでダートに突入。
 待望の第1本目のダート。緊張と不安で背筋がゾクゾクッとしてくるところがダート・ナイトランの魅力なのだ。       

 バックミラーでB武田のライトを確認しながら、真夜中のダートを突っ走る。
 キツネやノウサギが何度となく飛び出してくる。横浜町と六ヶ所村境の峠に到達。ここは名無し峠。ライトであたりを照らし、峠を下っていく。

 急勾配のタイトなコーナーが連続する。
 猛烈な睡魔と戦いながらのコーナリング。ハンドルが振れる。ただひたすらに我慢‥‥なのだ。
 10キロのダートを走り、R338に出る。

 その夜は物見崎の灯台の下で野宿。B武田はテントを張ったが、カソリはいつものようにシュラフのみ。眠気の極に達していたので、シュラフにもぐり込んだ瞬間、10秒とたたないうちに爆睡状態だ。

 夜明けとともに目をさましたが、犬の散歩でやってきたオバチャンに、
「よくここで寝られたわねー」
 と、いわれた。            

 なんとつい最近、乳飲み子をおんぶした若い母親が、2歳の女の子を道連れに車で飛び下りた。2歳の女の子の死体は未だに見つかっていないという‥‥。

 早朝の出発。六ヶ所村から東通村に入り、老部橋を渡ったところでR338を左折し、老部川林道を走る。9キロで峠に到達。峠を越えた横浜町側は有畑林道になる。

 ダート15キロの老部川有畑林道を走り切り、陸奥湾側のR279に出た。
 下北半島の中心地むつ市に着くと朝食の弁当を食べ、むつ温泉「湯・トピア」の湯に入り、下北半島東北端の岬、尻屋崎へ。

 行きはR338の横流峠を越え、帰りは県道6号を走ってむつ市に戻ってきたが、白亜の灯台が立つ尻屋崎の風景は目に残る。“本州最涯の地”碑が建っているように“最果て感”の漂ういかにも岬らしい岬なのだ。岬周辺は牧場で、有名な“寒立馬”が放牧されている。

 むつ市から下北半島のシンボル的な存在の恐山へ。

 恐山というのは円錐状火山とまわりの外輪山の総称で、中央にはカルデラ湖の宇曽利山湖。ここは862年に慈覚大師によって開山されたといい伝えられているが、立山などと並ぶ“日本三大霊場”のひとつで、「いたこ」の口寄せで知られるように、霊と出会える場所なのだ。

 宇曽利山湖畔の荒涼とした風景の中にはいくつもの地獄がある。

 恐山の温泉「花染の湯」に入り、門前で昼食のそばを食べ、第3本目のダート、宇曽利山湖から流れ出る正津川の渓流沿いの正津川林道を走る。ダート8キロ。けっこう山深い風景で、途中、バッタリとニホンカモシカに出くわした。

 大畑の町に入り、下北半島のイカ漁の中心、大畑漁港を見たあと、大畑川沿いの道を奥へと走っていく。

 下北半島随一の渓流美を誇る薬研渓流を見る。ここは紅葉の名所だが、紅葉にはまだまだ早い季節で、川岸の広葉樹は深い緑に覆われていた。

 最奥の奥薬研温泉へ。そこから先は、易国間、佐井、湯ノ川温泉へと3方向にダートが延びている。奥薬研温泉を拠点にして、それら3本のダートを往復するのだ。

 まずは易国間林道。3本のダートの中では一番、道幅が狭く、交通量はほとんどない。峠を越え、大畑町から風間浦村に入る。易国間川の渓流に沿って一気に下ると、津軽海峡に面した易国間の集落に出る。ダート18キロ。

 来た道を奥薬研温泉へと引き返した。往復38キロだ。
 次に県道284号薬研佐井線で佐井へ。

 途中までは道幅の広いダートだが、湯ノ川林道との分岐を右に入ったところから狭くなる。峠へ。急な登りだ。大畑町と佐井村境の峠、大畑越を越え、津軽海峡に面した佐井に出る。ダート20キロ。

 佐井からは来た道を引き返し、奥薬研温泉に戻った。往復40キロだ。
 その夜はキャンパーには大人気の薬研キャンプ場に泊まる。

 キャンプ場の管理人の石切富美子さんは、ぼくの顔を見るなり、
「カソリさんですよね。いつか、きっとここに来てくれると思っていましたよ!」
 とえらく喜んでくれた。

 夜は石切さんを囲んでの大宴会。すっかりご馳走になった。
「夢にまでみたカソリさん。本当に夢のようです。いつまでも男のロマンを求めて前へ前へと突き進んで下さい」
 と、石切さんはそんな励ましの言葉をぼくのノートに書いてくれた。
 ありがとう!

 翌朝は夜明けとともに出発。前日の県道284号薬研佐井線を走り、分岐点を直進し、湯ノ川林道に入っていく。峠までのアプローチが長い。林道沿いに、ブナの大木を何本も見る。       

 大畑町と川内町境の峠に到達。ここでもブナの大木を見る。湯ノ川林道のこの峠は名無し峠だが、ブナの大木がきわめて象徴的なので、ブナ峠ぐらいの峠名をつけたいところだ。峠を一気に下り、湯ノ川温泉へ。ダート27キロ。

 ここでもやはり、来た道を引き返し、奥薬研温泉に戻る。
 往復54キロの湯ノ川林道だ。

 ここまで全部で6本のダートコースを走ったが、奥薬研温泉発の3本のダートをすべて往復したこともあって、ダート走行距離は163キロになった。
「ウーン、よしよし!」
 と、達成感に浸る。

 我らオフロードライダーは単純なもので、1キロでも多くのダートを走れば、もうそれで大満足なのだ。
 奥薬研温泉では「夫婦かっぱの湯」、「かっぱの湯」、それともうひとつの露天風呂と、3つの無料露天風呂のハシゴ湯をする。
 林道のあとの温泉は最高だ。

 薬研キャンプ場に戻り、朝食を食べ、管理人の石切富美子さんに「さよなら」をいって出発。

 大畑に出、下風呂温泉の共同浴場「大湯」に入り、R279で前日の易国間を通り、本州最北端の大間崎へ。
 北緯41度31分30秒の岬の先端には、「本州最北端」の碑が立っている。

 目の前のクキド瀬戸を隔てて600メートルほど沖合の弁天島には白黒に塗り分けられた灯台。その向こうには、北海道の山々が津軽海峡の水平線上に連なっている。

 大間崎からは下北半島の外周を反時計回りにぐるりとまわる。その間では本州最北の温泉、大間温泉を第1湯目に脇野沢温泉、阿部城温泉、湯野川温泉、城ヶ沢温泉と5湯の温泉に入り、むつ市へ。

“温泉湯破行・下北半島篇”といったところで、最後が石神温泉。前日のむつ温泉、恐山温泉から数えると第9湯目の温泉になる。塩分の強い黄土色の湯につかる。大浴場の窓からは、津軽海峡越しに夕陽を浴びて赤々と染まる北海道の山々を眺める。左手には恐山。湯につかりながら眺める見事な風景に酔いしれる。

 夕食を食べたあと、再度大畑まで行き、本州最北の駅、大畑駅前に立った。
 大畑からむつ市に戻り、R279、R4と夜の国道を走り、ゴールの東北道青森料金所へ。

「みちのく5000」は最初の計画(全行程5000キロ、ダート1000キロ)を大きく上回り、全行程10000キロ、ダート2000キロと計画の倍を走って最終回を迎えた。


■林道データ■
1、県道179号
ダート距離   10キロ
絶景度    ☆☆☆☆
走りごたえ度  ☆☆☆
横浜のR279のバイパスから入っていった。途中からダート。標高417メートルの名無し峠を越え泊へ。

2、老部川有畑林道
ダート距離   15キロ
絶景度    ☆☆☆☆
走りごたえ度 ☆☆☆☆
R338の老部川のわきから入っていったが、入口からダートなのがうれしい。渓流沿いに走り峠を越える。

3、正津川林道
ダート距離    8キロ
絶景度    ☆☆☆☆
走りごたえ度  ☆☆☆
恐山から薬研温泉に通じる県道4号から入っていった。宇曽利山湖から流れ出る唯一の川、正津川沿いに走る。

4、易国間林道
ダート距離   18キロ
絶景度   ☆☆☆☆☆
走りごたえ度☆☆☆☆☆
奥薬研温泉から奥薬研橋を渡って入っていく林道。峠を越えると、津軽海峡に面した易国間へと一気に下る。

5、県道284号
ダート距離   20キロ
絶景度   ☆☆☆☆☆
走りごたえ度☆☆☆☆☆
奥薬研温泉から大畑川の渓流に沿っていく。このあたりは日本有数の紅葉の名所。大畑越の峠周辺が若干ラフ。

6、湯ノ川林道
ダート距離   20キロ
絶景度   ☆☆☆☆☆
走りごたえ度☆☆☆☆☆
奥薬研温泉から県道284号を7キロ走り、分岐点を直進して入っていく。峠を下ったところが湯ノ川温泉。


■温泉データ■
1、むつ温泉
むつ市の中心、田名部のR279沿いの「湯~とぴあ」(入浴料500円)に入った。ほかに温泉銭湯の「寿湯」、「菊の湯」がある。

2、恐山温泉
恐山境内の温泉。4つの湯屋がある。入山料の500円を払えば無料で入れる。「花染の湯」は混浴。熱めの湯。湯量豊富。硫黄の匂い。

3、奥薬研温泉
ここには3つの無料大露天風呂。以前ここには1軒宿の温泉ホテルがあったが、今はない。薬研温泉には5軒の温泉宿。

4、下風呂温泉
下北半島第一の温泉地。20軒近い温泉宿がある。共同浴場の「大湯」(入浴料240円)に入った。湯量豊富。白濁色の湯には湯の華。

5、大間温泉
本州最北の温泉。1軒宿の「海峡保養センター」(入浴料370円)の湯に入ったが、大浴場の無色透明の湯と赤湯はともに塩分が強い。

6、脇野沢温泉
北限のニホンザルがいる野猿公苑のすぐ近くにある温泉。「脇野沢村保養センター」(入浴料250円)の湯に入る。大浴場。食塩泉。

7、阿部城温泉
川内町阿部城の集落の外れにある無料湯の温泉。場所がちょっとわかりにくいが県道46号から西側に50メートルほど入ったところ。

8、湯野川温泉
共同浴場の「濃々園(じょうじょうえん)」(入浴料300円)は、下北名産のヒバをふんだんに使った趣のある建物。湯野川は歴史の古い温泉。

9、城ヶ沢温泉
R338沿いの「グランドパーク城ヶ沢」(入浴料320円)の温泉。目の前は陸奥湾。大浴場には寝湯、打たせ湯、サウナがある。

10、石神温泉
R279沿いの1軒宿「石神温泉」(入浴料300円)の湯に入る。海水のように塩分の強い黄土色の湯。浴場の窓越しに見る津軽海峡。

テーマ : ツーリング    ジャンル : 車・バイク

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