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「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(20)

 気仙沼からは国道45号をさらに北上し、県境を越え、宮城県から岩手県の陸前高田市に入っていく。

 気仙川の河口にかかる気仙大橋は大津波で流された。そのため陸前高田の町に入っていくのには、気仙川沿いにさかのぼり、大きく迂回し、国道343号→340号で陸前高田の町中を走り抜け、気仙大橋の対岸に出なくてはならなかった。大変な時間のロスだった。

 それが仮橋の完成で、震災以前と同じように直接、陸前高田の町に入っていけるようになっている。

 今回の「平成三陸大津波」では1800人もの犠牲者を出した陸前高田は壊滅状態。瓦礫はほとんど撤去され、うず高く積まれていた瓦礫の山も大分、処分されていた。

 しかしあまりにもすさまじくやられたので、復興の芽すら見られないというのが現状だ。「日本三大松原」に次ぐくらいの高田松原は全滅し、7万本以上もあった海岸の松はすべて流された。

 その中でかろうじて残ったのが「奇跡の松」。何としても生き延び、陸前高田の復興のシンボルになってもらいたいものだが、潮をかぶった松は残念ながら立ち枯れしてしまった。

 陸前高田の海岸は地形も変わり、高田松原海水浴場の長い砂浜は消えた。家族連れで賑わった夏の海水浴場のシーンが、しきりに目に浮かんでならなかった。あの賑わいがこれから先、戻ることがあるのだろうか…。

 陸前高田の市街地跡を抜け出たところで国道45号を右折し、県道38号で広田半島に入っていく。ゆるやかに下ったところで県道38号の旧道と交差するが、この一帯は絨毯爆撃でもされたかのような被害地域が帯状になって東西に延びている。ここが大津波が激突した現場。半島の両方向から巨大な壁となって押し寄せた大津波が激突した。

 県道38号で広田半島を一周し、最南端の広田崎に立った。目の前にはウミネコの椿島が見える。対岸には長々と延びる唐桑半島が見える。広田崎は絶景岬だ。

 広田崎近くの漁港で震災直後に漁師さんから聞いた話は忘れられない。

 大地震のあと、大津波が来そうだとわかったとき、家族の反対を押し切って港に急行した。船をつないだロープを鉈でぶち切り、エンジン全開で沖に逃げた。ほんとうに間一髪で、もし、もたもたしてロープをはずしていたら、港内に押し寄せた大津波に飲み込まれてしまった。ほかの船はすべてやられたという。

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一面の荒野と化した陸前高田

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外観だけが残ったホテル

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高層住宅の4階までがやられた

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陸前高田を貫く国道45号

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消えた高田松原

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広田崎からの眺め

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大津波以前の高田松原

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