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  11 ,2017

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。 20歳でのアフリカ一周から、60歳還暦での「300日3000湯」ツアーまで、そしてその先へ・・・。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。


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Category: カソリ本「一章瓶」

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六大陸周遊1973-74 [完全版] 002
出発点はタイのバンコク

 1973年の終戦記念日は、猛烈に暑い日だった。
 重いザックを背負い、水筒を肩からぶらさげたぼくは、羽田空港へと急いだ。
「これでしばらくは、日本ともお別れだな…」
 と思うと、いつもの見慣れているはずの東京がどこか知らない遠くの町に見え、なにか異国を旅している時のような新鮮な気持ちを感じた。
 長い旅に出る直前の、うれしいような、寂しいような、怖いような、揺れ動く複雑な心境だった。
 これから2年間の予定で、アジア、オーストラリア、アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカという順に世界の6大陸をまわろうという「六大陸周遊計画」と名づけた旅が始まる。
 まずはタイのバンコクに飛び、マレー半島からインドネシアのスマトラ島に渡り、インドネシアの島々を東へ。東端のティモール島からオーストラリアに渡るのだ。
 17時45分発のパンアメリカン航空001便は、定刻よりも30分ほど遅れて羽田空港を出発した。暮色(*ぼしょく)に包まれた日本列島を眼下に見下ろしながら、「六大陸周遊」の出発点、タイのバンコクへと飛んだ。
 バンコクに到着すると、下町の安宿に泊まり、そこを拠点に町を歩いた。チャオプラヤ川の船にも乗った。まさに「水の都バンコク」。チャオプラヤ川の本流とその支流では、人々は川で体を洗い、洗濯をしている。野菜や果物、雑貨を満載にした船がひんぱんに行き交う。乗客を乗せた水上バスも行き来している。そのあと、バンコク市内のスズキのディーラーで、「サハラ縦断」(『極限の旅』中の1972年)に使ったのと同じバイク、スズキ・ハスラーTS250を借り、「バンコク→バンコク」でタイ国内をまわった。古都のアユタヤやクワイ川の「戦場にかける橋」が胸に残った。
 バンコクに戻り、バイクを返却すると、いよいよ出発だ。
 バンコク中央駅のフォアランポーン駅から急行列車でマレーシアのバターワースに向かった。超満員の乗客。車内には入れず、デッキに腰をかけ、流れゆく田園風景に目をこらした。広々とした水田。日が落ち、あたりが暗くなっても外を見ていた。すっかり暗くなり、何も見えなくなっても、不思議と満たされた気分だった。
「六大陸周遊」の旅に出た喜びがジワーッと胸にこみあげてくる。
 いくつかの駅に停まり、車内がすこしすいてきたところで通路にシートを敷く。夜がふけてきたところでシュラフにもぐり込んで眠った。窮屈な格好で、エビのように体をキュッと曲げて眠ったが、列車の規則正しいガタゴトン、ガタゴトン、ガタゴトン…という振動音が子守歌になり、ぐっすりと眠れた。
 目がさめたのは夜が明けるころだった。天気は悪く、低くたれこめた雨雲からは細かい雨が降っていた。列車はすでにクラ地峡を通りすぎ、マレー半島に入っていた。熱帯の赤色土壌、ラテライトが強烈に赤い。線路沿いにはゴム園を多く見かけた。
 昼前に南タイの中心、ハジャイに到着。乗客はゴソッと降り、やっと座席に座れた。そこから国境へ。国境のパダンベサール駅で列車は1時間ほど停車し、駅舎のイミグレーションでタイの出国手続きとマレーシアの入国手続きをした。タイからマレーシアに入り、終点のバターワース駅に着いたのは夕方。バンコクから24時間の列車の旅だった。
 フェリーで目の前のペナン島に渡る。島の中心のジョージタウンへ。安宿に泊まると、夜の町を歩いた。ジョージタウンには中国人が多く、にぎやかな目抜き通りに面して、何軒もの宝石店や金を売る貴金属店が軒を連ねていた。ここからインドネシアのスマトラ島に渡るのだ。

テーマ : 海外旅行記    ジャンル : 旅行

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