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六大陸周遊1973-74 [完全版] 005

ウォーレス線を越えて

 ジャワ島東端のバニュワンギ駅前からバスでフェリー乗り場へ。10分ほどの距離だ。フェリー乗り場では、夜のバリ海峡を見る。対岸にはバリ島の灯。バリ島のギリマヌク港行きのフェリーは、それほど大きなものではなかった。5台のトラックと7台の乗用車、1台のバスでいっぱいになる。積み残されたトラックが、かなりの台数になった。
 夜のバリ海峡を渡り、バリ島のギリマヌク港に上陸。すぐさまバスで島の中心のデンパサールへ。さすがにインドネシア一の観光地、バリ島だけあって、デンパサールには高層ホテルが建ち並んでいた。ぼくはといえば、裏町の1泊400ルピア(約330円)の安宿「HOTEL CHANDRA」に泊まった。
 バリ島の朝は早い。まだ暗いうちから町はにぎわいはじめる。バスやトラック、ベモ(軽自動車の乗合タクシー)、バイク、馬車がけたたましい警笛を鳴らして大通りを走り過ぎていく。
 デンパサールからはバスで、次の島であるロンボク島への船が出るパダンバイへ。
 パダンバイの海の色は目がさめるよう。浜辺には色とりどりに塗られたカラフルな漁船がずらりと並んでいた。砂浜を歩き、岬近くで裸になり、真っ青な海で泳いだ。
 港の前には食堂が1軒、あった。中国の海南島出身の育我(イーウォア)さんの食堂。ここで100ルピア(約80円)のナシゴレン(焼き飯)を食べた。店にはほかには客もなく、船が出るまでの間、育我さんはぼくの話し相手になってくれた。中国語の簡単な会話を教えてもらった。育我さんは中国には帰るつもりはないといっている。インドネシアが「私の故郷」とも言った。華僑は強い!
 14時出港と聞いていたロンボク島行きの船は、予定を変更し、11時に出港。あやうく乗り遅れるところだった。船はパダンバイの桟橋を離れると、ロンボク海峡に出ていく。後方のバリ島の山々は厚い雲に覆われていたが、前方の洋上には雲ひとつない。沖の小島には見事な潮吹き岩があった。波が島にぶつかるたびに、岩間からはまるで噴水のように、ピューッと潮が吹き上げた。
 バリ島からロンボク島までは7時間の船旅。波が荒くなり、船は大揺れに揺れ、乗客の大半は船酔いをした。みんなグッタリし、あちこちでゲーゲーやっている。船酔いとは無縁のぼくだけが1人、元気だった。
 バリ島とロンボク島の間のロンボク海峡は水深が深い。世界の生物分布の重要な境界線であるウォーレス線は、このロンボク海峡を通っている。イギリスの生物学者ウォーレス(1823~1913年)が提唱したこの線を境にして、西側を東洋区、東側をオーストラリア区とした。
 船はロンボク島のアンペナン港を目指した。夕方、アンペナンの町並みが見えてきた。港には桟橋がなく、何隻ものはしけが船に横づけされる。乗客は我さきにとはしけに乗り移る。はしけは満員の乗客を乗せて浜辺へ。波が引いた瞬間に飛び降り、すぐさま走る。グズグズしていると、寄せる波をかぶり、全身ずぶ濡れになってしまう。
 アンペナン港の出口では、パスポートチェックがあった。警官に台帳を見せてもらうと、デビッドの名前があった。彼はぼくより1日早く、昨日、アンペナン港に着いていた。ロンボク島で彼に再会できるかもしれないと思った。
 アンペナンでは、かわいらしい女の子の客引きに手をひかれ、彼女の家でやっている民宿に泊まった。1泊150ルピー(約120円)という安さ。おまけに夕食は家族と一緒に食べた。食事代はタダ。夕食後は彼女の部屋で、日本の歌のカセットを聞いた。
「私、大好きなの」といって、吉永早百合の歌も聞かせてくれた。
 翌朝は彼女の見送りを受けて出発したが、後ろ髪を引かれるような思いだった。
 アンペナンからロンボク島の中心、マタランまでは町つづき。目抜き通りには中国人の店が建ち並んでいる。
 マタランからは、ベモに乗ってロンボク島を西から東へと横断する。島の東側には、リンジャニ火山(3726m)の裾野がスーッと延びている。裾野はそのまま海に落ちている。荒涼とした風景で、人も少ない。
 ロンボク島の東側にあるロンボク港から、次の島、スンバワ島に船が出ている。切符を買うときにパスポートをチェックされたが、そこで、デビッドがぼくよりも先にスンバワ島に渡ったことを知った。
 スンバワ島行きの船の出港時間になった。
 ロンボク港にも、アンペナン港と同じように桟橋はない。靴を脱ぎ、ズボンをまくり、泥浜にズボズボもぐりながら歩いた。水辺に置かれた小舟に乗り、沖に停泊している船に乗り移った。船はエンジンを始動させ、錨を上げて動き出した。
 ロンボク島とスンバワ島の間のアラス海峡を行く。ロンボク島は次第に遠くなっていったが、リンジャニ火山はいつまでも水平線上に小さく見えていた。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

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