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六大陸周遊1973-74 [完全版] 024

熱帯圏に入っていく!

 マリーボロからは若者の車に乗せてもらった。背がすらりと高い。イアン、20歳。1200キロ北のタウンズビルまで行く。
 車はホールデンのワゴン車。ひどいオンボロ車。バッテリーは上がり気味で、エンジンがなかなかかからない。タイヤはツルツルで、おまけにブレーキのききも悪い。乗っているのが怖いくらい。だが、イアンはそんなこともおかまいなしに飛ばす。カーブにさしかかったときは身が縮むような思い。車は横滑りし、思わず「あーっ!」という声が出てしまう。日が暮れかかったころ、カンガルーが道に飛び出してきた。イアンは急ブレーキをかけたが間に合わない。カンガルーに激突かと、目をつぶってしまったほど。だが、幸いにも尻尾にヒットしただけで済んだ。カンガルーは大丈夫だったようで、ピョンピョン跳ねて逃げていった。イアンの車はといえば、片一方のヘッドライトが破損した程度のダメージで済んだ。
 南回帰線を越え、熱帯圏に入っていく。ロックハンプトン、マッケイと大きな町々を通り過ぎていく。イアンは夜通し走りつづけ、一睡もしない。夜が明けると、あたりは一面のサトウキビ畑だった。
 昼前にタウンズビルに着いた。イアンに誘われるままに、彼の家に行き、昼食をご馳走になった。イアンは母親、弟と一緒に住んでいた。お母さんはガンの手術で左腕を切断、弟の小学生のバーディは障害児で、なんとも気の毒な家族。しかしイアンに暗さは微塵もない。それから2日、彼の家で泊めてもらった。
 翌日は日曜日。一家と一緒に太平洋のマグネティックアイランドに行った。ここはタウンズビルにも近い島なので、ちょっとした観光地になっている。浜辺でイアン、バーディとボール投げをし、昼にはお母さんがつくってくれたお弁当を一家と一緒に食べた。
 イアンの家を発つときは、お母さんもバーディもぼくとの別れを惜しんでくれた。お母さんは「途中で食べなさい」といってお弁当を持たせてくれた。
 タウンズビルから370キロ北のケアンズへ。その間では全部で9台の車に乗せてもらった。そのうち20キロほど乗せてもらった車は、スピード違反でパトカーに捕まり、警官に切符を切られた。罰金は10ドル(約4000円)。かなりの額だ。運転している人に何か、すごく申し訳ない気持ちになる。もし彼がぼくを乗せなかったら、パトカーに捕まらなかったかもしれないと思ってしまうからだ。そんなぼくの顔を見て、「スピード違反は、キミにはまったく関係ないよ」と運転している年配の人は言ってくれた。
 道の両側には、行けども行けども、広大なサトウキビ畑が広がる。アルトゥールさんという老人の車に乗せてもらったときは、そんなサトウキビ畑の一角にある製糖工場を案内してもらった。工場には次々とトロッコ列車でサトウキビが運び込まれる。そのサトウキビが粗糖になっていく過程を、工場を歩きながらわかりやすく説明してくれた。工場見学が終わると、しぼりたてのシュガーケーン・ジュース(サトウキビジュース)を飲ませてくれた。
 ケアンズへの9台目はドイツ系移民のゲーリック・ロドラーさんの車だった。ケアンズに着いたのは夜の8時過ぎで、ゲーリックには「今晩はウチで泊まっていったらいい」と言われた。ありがたくそうさせてもらった。彼は40代の半ば。ドイツ人の奥さんと10代の2人の娘さんがいる。夕食をいただいたあと、世界地図を真ん中に置き、ロドラー一家とおおいに世界を語り合った。
 翌朝、ゲーリックにケアンズ港まで送ってもらった。船でグリーンアイランドに渡るのだ。グリーンアイランドは珊瑚礁のグレート・バリア・リーフ(大保礁)の島。南北2000キロにも渡って延びるグレート・バリア・リーフは世界最大の大保礁だ。
 船は1日1便。9時の出港。往復で2ドル(約800円)。グリーンアイランドは手軽に渡れる島なので、観光客も多い。外国人観光客の姿も見受けられた。
 1時間ほど船に揺られると、グリーンアイランドに到着。すばらしくきれいな海の色で、スーッと吸い込まれそうになる。島を取り巻く遠浅の海の向こうで、太平洋の波が白く砕けている。ここでは海中を展望するガラス張りのアンダーウォーター・オブザーバトリーや、船底がガラス張りになったグラスボートで、色鮮やかなサンゴや熱帯魚を存分に見ることができた。夢の世界のようだった。
 グリーンアイランドからケアンズに戻ると、ゲーリックが車で迎えに来てくれていた。もうひと晩、彼の家で泊めてもらった。かわいい2人の娘さんたちとの夕食はなんとも楽しいものだった。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

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