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六大陸周遊1973-74 [完全版] 025

大分水嶺山脈を越えて

 オーストラリア東海岸北部のケアンズからタウンズビルに戻ると、国道78号で内陸部に入っていく。チャーターズタワーの町までは、老人の車に乗せてもらった。老人はぼくが日本人だとわかると、さんざん日本を非難した。
「日本は危険な国だ。なにをしでかすか、わかったものではない。(太平洋)戦争のときもそうだった。私はあやうく日本軍の空襲でやられるところだった」
 太平洋戦争中、日本軍は激しくダーウィンを爆撃したという。そのころ老人はダーウィンに住んでいた。日本軍の空襲で家は焼かれ、命からがら逃げ延びた。日本軍の空襲では多数の死傷者が出たという。そのときの恐怖のシーンが老人の脳裏に焼きつき、いまだに離れないという。
 オーストラリアには猛烈な勢いで日本車が進出していた。老人の車も日本車だった。だが、老人は言った。
「私が日本を嫌っているのと、日本車が好きで乗っているのとは、まったく関係ないことだ。日本車はすばらしい。ほんとうにすばらしい。値段が安いのにもかかわらず、品質がきわめて高い。私はそれだから日本車に乗っている。ただ、それだけのことだ」
 老人は70を過ぎている。年などまったく関係ないかのようにぶっ飛ばす。もっともオーストラリアの国道をノロノロ走っている車などはないが。
 車はオーストラリアの東側を南北に連なる大分水嶺山脈(グレート・ディバイディング・レインジ)に入っていく。山脈といっても別に険しい山並みがつづくわけでもないが、あたりの風景は一変し、サトウキビ畑は完全に消えた。
 きれいな夕日を見る。雲ひとつない西の空はまばゆいばかりに輝き、やがて大きな夕日がゆっくりと山の端に落ちていく。チャーターズタワーの町に着いたときは、すでにあたりは暗かった。日本大嫌いの老人にお礼を言って車を下り、その夜は町外れで野宿した。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

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