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  04 ,2018

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。 20歳でのアフリカ一周から、60歳還暦での「300日3000湯」ツアーまで、そしてその先へ・・・。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。


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03

Category: カソリ本「一章瓶」

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六大陸周遊1973-74 [完全版] 029
自由奔放な空気

 夜が明けたところで出発だ。クヌヌラはオード川をせき止めた灌漑用のダムから水を引いてつくり出した広大な農業地帯の中心地。ホールズクリークからフィッツロイクロッシングに向かって歩いていく。おびただしい数の蠅。はらってもはらっても、まとわりついてくる。飛行場のわきを通る。そのとき、ものすごい数の鳥の群れを見る。一瞬、空が暗くなるほどの鳥の大群だった。
 オード川を渡っているときに、ティモール海のケンブリッジ湾に面したウィンダムまで行く車に乗せてもらい、ホールズクリークとのT字の分岐で下ろしてもらった。
 ホールズクリークまでは350キロあるが、すごくラッキーなことに、ほとんど待たずに次の車に乗せてもらった。若い男女5人の乗る車。それなのにぼくを乗せてくれたのだ。後の座席には女の子たち3人が乗っていたが、その中に割り込んで座らせてもらった。 彼女たちとはいやでもおうでもピッタリと肌を寄せ合い、彼女たちの体の暖かさがジンジン伝わってくる。なんと5人はパースまで一緒に行くとのことで、その途中のブルームで仕事をするという。舗装は途切れ、ダートに突入。ものすごい土ぼこりが車内に入り込み、彼女たちの顔はあっという間に真っ白になる。
昼過ぎにホールズクリークに到着。レストランで5人と一緒に食事をしたが、ぼくの分はみんなが払ってくれた。
 次に町、フィッツロイクロッスングへ。約300キロある。荒野には無数の蟻塚。まるで墓標のようだ。珍しく雲を見た。遠くの方では雨が降っている。夕方、フィッツロイクロッシングに到着。ここにはホテルがあって、パブがあって、郵便局があって、ガソリンスタンドがあってと、それだけ。とても町といえるようなところではない。
 昼と同じようにレストランで5人と一緒に夕食を食べ、そのあとはパブで飲んだが、自分の分はまたしてもみんなが払ってくれた。5人はホテルに泊まり、ぼくは車中で寝た。またしても蚊の猛攻を受け、ひと晩中、蚊との戦いであまりよくは眠れない。
 フィッツロイクロッシングを過ぎると舗装路になった。風景はほとんど変わらない。荒野が延々とつづく。ダービーの町に寄り、500キロ近くを走って、夕方、インド洋に面したブルームに到着した。5人はここでしばらく働く。男性2人は中国人の経営する漁業会社の船に乗り、女性3人はレストランで働くという。
5人はシドニーを出発した。みんなでお金を出し合って中古車を買い、それで旅に出た。途中、ブリスベーンで働き、マウントアイザで働き、さらにダーウィンで働いてここまでやってきた。ブルームで働いたらパースまで行くという。そんな5人に自由奔放な空気を強く感じるのだった。
 夕暮れのブルームで男性2人とは握手をかわし、女性3人とは熱き抱擁をかわして別れたが、いつまでも後ろ髪を引かれるような思いがした。

テーマ : ツーリング    ジャンル : 車・バイク

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