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  10 ,2017

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。 20歳でのアフリカ一周から、60歳還暦での「300日3000湯」ツアーまで、そしてその先へ・・・。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。


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Category: カソリ本「一章瓶」

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六大陸周遊1973-74 [完全版] 032
エアーズロックを断念

 世界最大の一枚岩、エアーズロックはどうしても見てみたかった。エアーズロックまでヒッチハイクで行くのは無理だと言われていたが、それにチャレンジ。「ダーウィン→ポートオーガスタ」の大陸縦断ルートを、今度は南から北に向かう。
 多民族国家オーストラリアにふさわしく、最初はインドネシアのスラバヤ生まれのトムのトラック、つづいてウクライナ人のトラックに乗せてもらった。ウクライナ人とはいろいろと話した。とくに戦争の話題になったときの「いつも一般の国民が苦しめられ殺される」との彼の言葉が頭に残った。その夜はピンバで野宿。夜の寒さがきつかった。
 翌朝は寒さに我慢できず、シュラフを首に巻いて車を待った。ポリスの車が通りがかり、調べられた。パスポートはキャンベラの南アフリカ大使館にあるので、一瞬、まずいなと思ったが、ビザ担当の書記官の名刺を見せたらOK。ほっとした。
 1時間ほどたったところで、いったんは通りすぎていったキャラバンカーが、すこし先で停まった。運転手は車を下りて、「乗れ」と手招きしてくれる。車まで走っていった。アリススプリングスまで行く車。ところが運転手は「おこりんぼ」。ハンドルを握りながら、やたらとブツブツ文句をいう。そしてすぐに「バーステッド」、「ファッキン」、「ブラディー」と、ののしりの言葉を連発する。一人言なので、何に怒っているのか、よくわからなかった。こういうときは「さわらぬ神にたたりなし」で、黙ってじっと車窓を流れていく風景を眺めた。
 舗装路からダートに突入し、オパール鉱山の町、クーバーペディーでひと晩、泊まった。翌日、南オーストラリア州からノーザン・テリトリーに入った。すると急に暑くなる。
 クルゲラの町から70キロほど北の地点、エアーズロックに通じる道との分岐点で「おこりんぼ」さんの車を降りた。
 時間は午後3時。分岐点には「エアーズロック」の標識があるのみ。エアーズロックに向かう車はほとんど通らない。たまに来ても乗せてはくれない。エアーズロックに行けないまま、日が暮れてしまう。荒野での野宿だ。
 翌朝もただじっと、分岐点でエアーズロックに向かう車を待った。けっこう辛いヒッチハイク。あっというまに暑くなる。おびただしいハエ。分岐を示すドラムカンの影で横になり、顔をハンカチで覆ってひと眠りする。午後になると黒雲がモクモクと出はじめ、あっというまに空全体を覆い、強風が吹きはじめた。まるで嵐。強風はますます激しくなり、体ごと吹き飛ばされそうになる。稲光が大空を駆けめぐる。近くに雷が落ちたときは、一瞬、青ざめた。「やばい!」。この荒野の中では遮るものは何もない。
 午後3時になったところで、「エアーズロックは断念しよう」と決めた。
 そう決めたとたんに、マットレスや生活道具一式を積んでアデレードまで行くデビッドのホールデンの旧型車が通りがかり、乗せてもらった。チンタラチンタラ走る車で、なんと5日がかりでアデレードに到着した。
 アデレードで読んだ新聞には、サイクロンに襲われたアリススプリングスの記事が写真入りで大きく出ていた。ぼくがエアーズロックへの道で車を待ったのと同じころ、最大風速100マイル(166キロ)の強風が吹き荒れ、アリススプリングスだけで数百万ドルの被害が出たと報じている。あの嵐では仕方ないか…と諦めようとするのだが、エアーズロックに行けなかったのは残念でならなかった。

テーマ : ツーリング    ジャンル : 車・バイク

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