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「南米・アンデス縦断」(47)

「ルカチェリ・ホテル」の朝食を食べ、バリローチェを出発。パタゴニア縦貫の国道40号(ルータ・クワレンタ)に入り、南へ南へと向かっていく。

「吠える40度」といわるとおりで、南緯40度以南のパタゴニアでは四六時中、猛烈な風が吹きまくっている。国道沿いには「烈風注意!」の標識が立っている。

 パタゴニアの風というのは、太平洋側から吹きつける偏西風。水分をたっぷりと含んだ風がアンデス山脈にぶつかり、チリ側は「地上最悪の気候」といわれるほどの暴風雨、暴風雪に見舞われる。年間の降水量は5000ミリを超える。

 それにひきかえアルゼンチン側というのは、すでに雨や雪を降らせた乾いた風が、アンデス山脈を越えて吹きおろしてくる。そのためアルゼンチン側のパタゴニアは砂漠同然で、年間の降水量は300ミリを割る。同じパタゴニアとはいっても、アンデス山脈をはさんだ東と西では、まったく違う世界になっている。

 国道40号はアンデス山脈の東麓を通っているが、そのルートはアンデス山脈に近寄ったり、遠ざかったりしている。アンデス山脈から離れると、四方を地平線に囲まれた大平原になる。トゲのついた草が、地平線のかなたまで地を這うようにはえている。かわいらしい白や紫の花を咲かせている草もある。

 国道40号を通る車はほとんどない。沿線には小さな町が200キロとか300キロといった間隔でポツン、ポツンとあるだけ。気が遠くなるほどの広大な原野が延々とつづいている。その大半は牧場になっているが、ウシやヒツジの姿を見かけることはほとんどない。チリ人の「島国人気質」とは対照的に、「大陸人気質」で他人には無関心のアルゼンチン人だが、このパタゴニアだけは別。ときたますれ違う車からは、身を乗り出して手を振ってくれることがよくある。

 それにしても、パタゴニアの風は猛烈だ。

 アンデス山脈から吹き下ろしてくる真横からの風に吹かれると、DRで道路の右端を走っていてもあっというまに左端までもっていかれ、あやうく路肩から飛び出しそうになってしまう。風が真正面から吹きつけてくると、アクセルを目いっぱいに開いてエンジンの回転を上げても、スピードが80キロから70キロ、60キロ…と、スーッと落ちてしまう。その反対に真後から吹かれると、まるで無風状態の中を走っているようで、それでいてアクセルから手を離しても80キロぐらいの速度をキープする。

 バリローチェから300キロ南のエスケルに到着。ここには我々の目指す世界最南の町、ウシュアイアまで1937キロと表示された道標が立っている。アラスカのアンカレッジまでは16360キロだ。

 エスケルの町の中心にある「ホテル・ソルデルソル」に泊まる。夕食は我々のつくった日本食。おにぎりと雑煮、それとワカメ、ナス入りの味噌汁。そのあと長谷川さん、斉藤さん、小林さんと町に繰り出し、バーでピスコサワーを飲んだ。

 すでに南緯40度線を越えた高緯度帯に入っているので、夜7時を過ぎても、8時を過ぎてもまだ明るい。地平線に近づいた夕日は金色の光を投げかけ、町を金色一色に染め上げる。自分自身の影がいよいよ長くなり、まるで宇宙からやってきた巨人のようになる。長かった夏のパタゴニアの1日も、夜の10時を過ぎると夕日が地平線のかなたに落ちて、やっと終わりを告げるのだった。

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「ルカチェリ・ホテル」の朝食

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アンデスの雪山を眺める

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昼食の「ミラネーゼ」

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パタゴニア縦貫の国道40号

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「烈風注意!」の標識

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エスケルの道標。ウシュアイアまで1937キロ

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