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世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。 20歳でのアフリカ一周から、60歳還暦での「300日3000湯」ツアーまで、そしてその先へ・・・。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。


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Category: 食文化<4>:食文化研究所

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カソリの食文化研究所:第25回 仁賀保編
 (『ツーリングGO!GO!』2004年11月号 所収)

 秋田県の鳥海山麓、仁賀保の「キッチンさかなやさん」で、とれたての岩ガキを食べられるという情報をキャッチした。ここは「ツーリングマップル」にも出ている店。すぐさまスズキDR-Z400Sで夜明けの東京を出発。東北道→山形道→R7経由で仁賀保へ。岩ガキを食べたい一心で520キロを7時間で走り、昼前には仁賀保駅前に着いた。

 さっそく駅に近い「キッチンさかなやさん」に行き、待望の天然岩ガキを賞味する。大皿に2個、殻つきの岩ガキがのっている。デカイ! 殻の大きさは20センチ近い。それにレモンが添えられている。殻の中の岩ガキを箸でつまみ、口に入れる。濃厚な味わいだ。日本海の海の香りが口の中、いっぱいに広がる。レモンを絞ってかけるまでもなく、生の、そのままがいい。潮味が最高の調味料になっている。フライにしたり、焼いたりすることもあるが、岩ガキはやはり生で食べるのが一番だ。

 鳥海山が日本海に落ち込むこのあたり一帯は、日本の岩ガキの名産地。膨大な鳥海山の伏流水が海に湧き出るあたりが絶好の漁場になっている。岩ガキ漁は7月、8月の2ヵ月に限られているので、岩ガキを食べられる期間も限られている。まさに夏期限定の味覚。山形県の吹浦、秋田県の象潟、金浦、平沢などの各漁港が岩ガキ漁の中心になっている。

「キッチンさかなやさん」の岩ガキに大満足したところで、すぐ近くの平沢漁港に行く。岩ガキの水揚げされる港だ。ちょうど沖合では岩ガキ漁をしているというので、それを見に行く。防波堤の突端まで歩いていくと、港外の防波堤の下には3隻の船外機つき小船が浮かんでいる。素潜りの漁師さんが海に飛び込んでは海底の岩ガキを鉄製の鉤でとり、船にくくりつけた浮輪に入れていく。

 岩ガキ漁は「海士(あま)漁」だ。岩ガキをとるのは男性のみで、女性はやらない。ところで「あま」だが、男性が海士で、女性が海女になる。「あま漁」というと志摩あたりの海女さんを思い浮かべ、女性専門の仕事のようなイメージもあるが、もともとは男性も女性もやった。仁賀保のように男性だけがやるところもある。

 日本の「あま漁」の歴史は古い。福岡県の玄界灘に面した鐘ヶ崎がその中心だといわれている。漁港のある鐘ヶ崎の集落を抜け出た鐘ノ岬の織幡神社境内には、「日本の海女漁発祥の地」記念の海女像が建っている。鐘ヶ崎の海士や海女たちは進んだ「あま漁」の技術を持って、日本各地の海へと出稼ぎに出た。そこに住み着き、分村をつくることも多かった。そのことによって「あま漁」の技術は日本各地に広まった。九州の鐘ヶ崎と東北の仁賀保は「あま漁」という線でつながっている。仁賀保港の堤防上で岩ガキ漁を見ながら、日本の「あま漁」の歴史や日本を結ぶ思いもよらない線に思いを馳せるのだった。


テーマ : 旅の思い出    ジャンル : 旅行

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