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秘湯めぐりの峠越え(37)川汲峠(北海道)

 (『アウトライダー』1996年7月号 所収)             

 北海道ツーリングの出発点に最適な函館は温泉町でもある。有名な湯ノ川温泉のほかに谷地頭温泉、函館温泉とあるが、それらの湯に入ったところで出発だ。

 道道722号で亀田半島の川汲峠を越えたが、内地では初夏になろうかという季節なのに、峠周辺は雪景色‥‥。

 太平洋岸に出る。R278で鹿部温泉まで行って引き返し、恵山岬周辺の温泉に入り、最後に戸井町の戸井温泉に立ち寄り、函館に戻るのだった。

季節が違うゼ、北海道は…
「ヒェー!!」
 ぼくは東日本フェリーの「びるご」を下船するなり絶句してしまう。冬用のグローブを持ってこなかったことを悔やんでしまう。

 スズキDJEBEL250XCとともに函館港のフェリー埠頭に降り立つと、なんと、5月の連休が間近だというのに、ミゾレ混じりの雨が降っているではないか…。

 時間は6時30分。なにはともあれ温泉だとばかりに谷地頭温泉に急ぐ。函館駅前に出、市電の通りに沿って走り、終点の谷地頭へ。函館山を目の前にする谷地頭温泉の「市営公衆温泉浴場」に着くと、心底、ホッとした。

 フェリー埠頭から10キロほどの距離でしかないのに、手はすっかりかじかみ、指先がジンジン痛む。DJEBELのフルカバーの大型ナックルガードがなかったら、とてもではないが走れなかった。顔も寒風が突き刺さりヒリヒリ状態。すさまじい寒さ。これでは、真冬と変わりがない。

 自動券売機で入浴券を買い、もどかしいような気分でブーツを脱ぐ。番台のオバチャンに入浴券を渡し、ウエアを脱ぐ。大浴場に入ると、まずは、桶で湯をかぶる。
「生き返ったー!」

 谷地頭温泉の「市営公衆温泉浴場」は、日本でも最大級の公営温泉浴場だ。
 だ円形の湯船には、100人は楽に入れる。洗い場も、一度に50人ぐらいが使えるし、脱衣所のロッカーは192番まであった。

 赤茶けた色の湯につかる。
 塩分の濃い熱い湯。湯の熱さに、体が慣れてくると、
「フーッ」
 と、大きく息をつく。

 東京から700キロ、東北道を夜通し走り、午前2時50分青森発の東日本フェリー「びるご」に乗ったのだが、そんなきつい走りの疲れも、いっぺんに吹き飛ぶほどの気持ちよさ。

 湯から上がると、再度、ミゾレ混じりの雨の中を走り函館駅前へ。
 朝市の一角にある「きくよ食堂」で三平汁をフーフーいいながら食べ、それをパワー源にしてさらに函館温泉、湯ノ川温泉の湯に入り、川汲峠に向かうのだった。

恵山岬の無料露天風呂
 恵山岬の海は大荒れだ。
 小雪混じりの強風にあおられた太平洋は牙をむき、あちらこちらに白い波頭が立っている。近くの鹿部では港を出た漁船が転覆し、大騒ぎになっていた。北の海の厳しさを思い知らされる出来事だ。

 恵山は海辺の火山。山裾は断崖となって海に落ち込んでいる。その先端が恵山岬。海辺の道は、恵山岬でプッツンと途切れている。この恵山岬の水無海浜温泉には、いい露天風呂がある。それも無料湯の露天風呂なのだ。

 R279から椴法華村の海辺の道に入り、数キロ行くと、恵山岬に着く。高台の上には灯台。その前に“恵山岬”と彫られた石碑が建っている。

 水無海浜温泉の国民宿舎「恵山荘」のわきの道を下ったところに無料露天風呂。石のゴロゴロした海岸に、コンクリートで囲った湯船が5つある。だがそのうちの3つは、荒波の海に完全に沈んでいた。

 手前の2つには、なんとか入れそうだ。
 だが、ザバーッ、ザバーッと荒波が入り込んでいるので、湯温は海水とほとんど変わらない。
「よーし、入るゾ!」
 と、覚悟を決める。

 この無料露天風呂に入っているシーンを写真に撮りたかったので、誰かに撮ってもらおうと、人が来るのを待つ。肌を突き刺すような寒風に我慢できずに、露天風呂を見下ろす電話ボックスの中に逃げ込む。
「ヒュー、ヒュー、ヒュルルン」
 ゾッとするほどのものすごい風の音。

 30分ほど待つと、車に乗った若いカップルがやってきた。
「お願いします」
 すぐさま、ウエアを脱ぎ、タオル1枚を持って湯船に入る。

「ギャオー!!」
 あまりの冷たさに歯がカチカチ鳴ってしまう。おまけに、ザバーッと入り込む大波と肌を突き抜けていく風の冷たさ‥‥。

「おー、凍え死ぬ‥‥」
「早く恵山荘の温泉に入ったほうがいいわよ」
 という彼女の忠告通りに、崖の上の「恵山荘」に行き、大浴場の湯に飛び込む。地獄のあとの天国だった。

■コラム■川汲峠
 道南の渡島半島は先が二又になっている。その二又の東側の半島が亀田半島で、太平洋と津軽海峡に分けている。亀田半島の先端が恵山岬、津軽海峡に突き出た岬が汐首岬だ。駒ヶ岳、横津岳、恵山、函館山と那須火山帯の火山が噴出し、そのために温泉が多い。この亀田半島を越える峠が川汲(かっくみ)峠である。

 川汲峠には、函館郊外の湯ノ川温泉から、道道722号で向かっていった。海岸を離れ、トラピスチヌ修道院を過ぎると、あたりは一面の雪景色になる。信じられない…。5月になろうかというのに。

 函館側からの峠へのアプローチは長い。峠に近づくにつれて雪が降ってくる。次第に激しくなり、降りしきる雪をついて、スズキDJEBEL250XCを走らせるのだった。

 川汲峠は函館市と南茅部町の境の峠。標高428メートル。峠の北東2キロの台場山は絶好の展望台で、“道南の十国峠”といわれるほど。峠のトンネルを抜け出ると、海に近いとは思えないほどの山深い風景。その中に川汲温泉がある。「川汲温泉ホテル」の湯につかったときは、ほんとうに、生き返ったよ。それほど強烈な寒さなのだ。

 川汲温泉から下ると、じきに海が見えてくる。そこがコンブで知られる南茅部町の川汲。函館から30キロ。「川汲峠越え」は、道南のおすすめツーリングコースである。


「川汲峠編」で入った温泉一覧
1、谷地頭温泉  市営湯(入浴料340円) 北海道函館市谷地頭町 
函館市営の公衆温泉浴場。6時から21時30分までと、入りやすい。函館市民の絶好の憩いの場。

2、函館温泉   函館温泉ホテル(入浴料550円) 北海道函館市大森町  
湯につかりながら津軽海峡を眺める。緑がかった湯の色。塩分が濃い。ロシア蒸気風呂もある。

3、湯ノ川温泉  根崎湯(入浴料340円) 北海道函館市湯川町  
湯ノ川温泉には5つの温泉銭湯があるが、そのうちのひとつ。市営熱帯植物園の前にある。無色透明の湯。

4、川汲温泉   川汲温泉ホテル(入浴料300円) 北海道南茅部町川汲  
川汲峠下の山中にある1軒宿の温泉。無色透明の湯は丸みがあって肌にやさしい。窓越しに川汲峠の峠道を見下ろす。

5、大船温泉   公営湯(入浴料300円) 北海道南茅部町大船  
「南茅部町民保養センター」の湯。大浴場と露天風呂。国道から数キロ入る。

6、鹿部温泉   亀乃湯(入浴料340円) 北海道鹿部町鹿部   
国道沿いにある共同浴場。6時~21時と入りやすい。すぐ近くに北海道では数少ない間欠泉がある。

7、水無海浜温泉 恵山荘(入浴料300円) 北海道椴法華村恵山岬 
恵山岬の海岸段丘上にある国民宿舎。ここから見るイカ釣り船の漁火が幻想的だ。

8、御崎海浜温泉 浜の湯(無料湯)   北海道恵山町御崎   
恵山下の行き止まり地点近くにある無料湯の露天風呂。屋根つき、脱衣所つき。地元の方々が大事にしている温泉だ。

9、恵山温泉   町営湯(入浴料250円) 北海道恵山町柏野   
町営湯「恵山町老人福祉センター」の湯に入った。大浴場の壁には見事な恵山岬のモザイク画。黄土色の湯。

10、戸井温泉   公営湯(入浴料300円) 北海道戸井町原木   
国道からわずかに山側に入ったところに「ふれあい遊湯館」。無色透明の湯。汐首岬に近い。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

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